満足度4「満足しました」と言ってもう一度来たお客様はいません。「大満足です!」と答えたお客様は、また来てくれる可能性があります。お客様全員を大満足させようとすると失敗します。女性起業塾では、大満足しやすいお客様に絞り込むことを勧めています。
1.リピーターになるお客様が想像できない
よく、「ターゲット顧客を絞り込みなさい」と上目線で言いますが、わたしたちを選ぶのはお客様の方です。
わたしたちは、売っている商品の良さは分かります。
ですから、誰が買うかも想像ができます。
しかし、お店や売っている自分自身の良さはよく分かっていません。
ですから、誰が買ってくれるのか、リピータになるのかが想像できないのです。
たとえば、ケーキ屋さんを開いた場合
普通の値段のケーキ屋さんで駐車場がなければ、半径500~1500m、徒歩や自転車で移動できる範囲にいるファミリーやOLさん、学生さんなどが買いに来ることになります。
価格が高い高級ケーキ屋さんで駐車場があれば、半径2000~3000m、ちょっと車に乗ってこれるような範囲のいるケーキ好きのマダムや富裕層の方が買いに来る可能性が高くなります。
では、その内の中のどの人がリピーターになるのでしょうか?
普通のケーキ屋さんの場合、ファミリーやOLさん、学生さんのうちのどの方がちょくちょく買いに来てくれるようになるのでしょうか?
高級ケーキ屋さんであれば、マダムのうちのどの方がよく買いに来てくれるようになるのでしょうか?
ここが分からないのです。
お店を新しく開けば、多くのお客様が興味本位から一度は買いに来てくれます。
しかし、リピーターになる方が予想できないのです。
2.強みとはお客様と一対のもの
「御社の強みは?」と簡単に聞く方が多いですが、そんなに簡単に答えられるものではありません。なぜなら、強みとは、誰に対してかによって大きく変わるからです。
例えば、「子育ての経験」は、子育て中のお客様やお子さんを預けたいと思っているお客様には強みになりますが、そうでない方には関係ありません。子供の話が嫌いな方もいます。
ですから、自分がどのような方をお客様として選ぶかによって、自分のどの面が強みとなるかが変わってくるのです。
もしかしたら、お客様の選び方によっては、自分にこれといった強みがないかもしれません。その場合には、お客様を変えなくてはなりません。
いくら富裕層を相手に商売をしたいと言っても、富裕層の方から見て、あなたに尊敬できたり信頼できたり共感できる部分がなければ、無理なはなしです。
自分の強みとなる見込みのある部分を全部出し、それが、どのようなお客様に対して強みとなり得るのかをひとつずつ検討することも、大事な作業です。
ですから、SWOT分析も、誰をお客様とするのか想定して作っていかなければなりません。
想定するお客様ごとに、何枚も作っていくことが大切です。
3.他の客様を切ってしまって本当に大丈夫なのか?
よく、「お客様をたったひとりに絞り込んでしまって大丈夫なのか?」と言われます。
あなたの話を、誰もが良く聞いてくれる分けではありません。
お客様の内でも、数人の方だけです。他の方はあまり聞いてくれません。
その数に方に、時間をかけて丁寧に話すことで、その人の後ろにつながっている多くの人に伝わっていくのです。
これが、口コミです。
■たった6人のひとを介するだけで、どんな有名人にでもたどり着けるというスモールワールド現象という法則があります(Facebookでは、たった4人でいけるそうです)。
このとき大切なのは、 多くの友人を持っているハブとなっている人に相談して、次のハブとなる人を紹介してもらうことです。つまり、誰に話すかがポイントなのです。
Facebookがさらに世界を小さくしたことを証明する実験もあります。
http://sankei.jp.msn.com/wired/news/111124/wir11112411470000-n1.htm
お客様も同じです。
商品やお店や販売者の良さを凄く分かってくれているお客様に接しないと、口コミはおきません。良さをたいして理解できていないお客様にいくら接客しても、広がらず、その方で終わってしまいます。
時間も労力も限られています。
ですから、口コミしていただくには、良さを分かってくれているお客様に集中的に時間と労力を割かないとならないのです。
4.絞り込むほど満足度が上がっていく
この図は、国内の主だった企業の顧客満足度を調べてものです。
横軸が満足度のばらつきで、右に行くほどばらつきが大きくなります。
つまり、右に行くほど満足度が1の人もいれば5の人もいるようになるということです。
縦軸は、その会社のお客様満足度の平均値です。
上に行くほど、その会社のお客様の満足度(平均値)が高くなると言うことです。
図から、お客様の満足度のばらつきが小さいほど、満足度(平均値)が高くなることが分かります。
商品の品質を上げることで満足度を上げることもできますが、お客様のばらつきをなくすことで満足度を上げることもできというわけです。
簡単に言えば、「その商品や売っているひとを本当に良いと思うお客様にだけ売れば良い」と言うことです。
「そんなことをしたら、売れる数が減ってしまい、売上が下がってしまうではないか」とクレームを言われそうですが、、、。
事実は逆なのです。
絞り込んだ方が、売上は伸びるのです。
5.評価5「もの凄く満足しました」以外意味がない
この図は、横が満足度で縦軸が買ってくれる金額です。
どの業種でも、満足度が90ぐらいより高くなったときに、グッと買う量が増えています。
特に、青の線の生活雑貨・家具では顕著です。
つまり、満足度4の「満足しました」では、お客様は多くは買ってはくれないと言うことです。
満足度5の「大満足しました」で、初めてもっと買ってくれるのです。
満足度が4程度なら、3でも2でも1でも同じこと、5以外は意味がないのです。
この図は、業種ごとに、お客様は、利便性と買い物の楽しさのどちらが重視しているかを表しています。
先ほどの、生活雑貨・家具を見ると、利便性はほぼゼロで楽しさが0.6と大きくなっています。
雑貨や家具の場合、便利さよりも買うときの楽しさが満足度を高めることが分かります。
※ この反対が、コンビニです。買うときの楽しさよりも利便性が重視されています。
つまり、雑貨や家具屋さんは、買う楽しさを徹底的に磨き上げ、お客様に「ものすごく楽しいです」といわせることがポイントだと言うことです。
※大塚家具の接客やNOKIAの部屋ごと展示やお泊まり会(http://b.hatena.ne.jp/articles/201212/11862)は、この楽しさを最大限に盛り上げるために行っています。
よく分かっています!
6.リピーター作りの4ステップ
STEP1 こちらを強く尊敬・信頼・共感してくれるお客様を見つけ出します
STEP2 そのお客様がどのようなところにどのようなシーンでそう感じてくれるかを割り出します
STEP3 それ(強み)を強化していきます
STEP4 さらに、強みの強化は、そのお客様が「ものすごく満足しました!」という満足度5のレベルになるまでやっていきます
こうして初めて、リピーターを増やすことができるのです。
では、どうすれば、こちらを強く尊敬・信頼・共感してくれるお客様を見つけ出せるのでしょうか?
7.強く尊敬・信頼・共感してくれるお客様の見つけ出し方
これは簡単です。
本当に信頼してくれているお客様を見つければ良いだけです。
普通、RFM分析を使って売上額や来店回数などでお客様をランク付けしていきます。
・Recency(リセンシー):最新購買日
・Frequency(フリークエンシー):購買頻度
・Monetary(マネタリー):購買金額
しかし、多く買ってくれるお客様やよく来てくれるお客様ほど信頼度が高いわけではありません。
スーパーなどは、近くには他にスーパーがないから仕方なくここに買いに来続けているというお客様も少なくありません。
そこで、売上にどれだけ貢献しているかではなく、どれだけ信頼してくれているかを調べていきます。
しかし、信頼度測ることはできませんので、具体的にどのような点を信頼しているかを調べていきます。
この図は、例のマッサージやさんの図です。
ここでは、
・OLさんは、「肩が直って、助かった、嬉しい」と言っています。
・裕福なマダムは特に感想がありません。
・子育てママさんは、「アドバイスが嬉しい、凄いと思う、自分をわかってくれる」(赤字部分)と言っています。
子育てママさんの感想が一番具体的で強いものです。
ですから、一番尊敬し信頼してくれていると考えても良いと思われます。
ですから、ターゲットとするお客様は、「子育てママさん」にすれば良いのです。
そうすると、他のお客様は切ることになります。
(他のお客様からの要望には応えません。だんだん、来なくなるはずです。)
8.売上を伸ばす方法
またまた、「子育てママさんなんかにしたら、売上が下がるではないか」というクレームの声が聞こえてきますが、、、。
もちろん、このままでは売上は下がってしまいます。
そこで、「子育てママさん」達にぴったりの商品を作り上げます。
最初に、子育てママさん達の困っていることや関心事を調べていきます。
すると、当たり前ですが、、、美容、特に子供を産んだ後でも体型を維持したいと思っていることが分かります。
そして、話題に上がっているのは「骨盤マッサージ」でした。
ですから、子育て中の若いママさん向けに「出産2年以内のママさん向け骨盤痩身マッサージ」と言う商品を作ったのです。
これが、売れました!
■お客様を搾りこんで確実に売上をあげるための5STEP
STEP1 こちらを強く尊敬・信頼・共感してくれるお客様を見つけ出す |