起業して商売をしようと思うときに、「○○でなければいけない」という決まりや常識みたいなものがあると思います。はたしてそうでしょうか? 女性起業塾では、まずこの点を考えていきます。
よく、高いから売れないと言いますが、安くすれば売れるかというと、、、売れません。
お客様は、欲しくないものはタダでもいらなく、どうしても欲しいものは高くても買いたいのです。
①安くすれば売れる
そんなことはありません。
クライアントの魚屋さんが、競争店に勝つために思い切って安くしました。
しかし、期待に反してたいして売上は増えませんでした。
そこで、、、魚市場が休みの水曜日の前の日の火曜日だけ安くすることにしました。
「明日、市場が休みなので安くします!」とちょっと書いておいただけで、飛ぶように売れはじめたのです。
また、あるスーパーでは、牛乳の価格をいくつか変えてみました。
すると、150円と170円時によく売れ、180円と160円と140円の時にはあまり売れなかったのです。
お客様からみると、納得できる安い理由や適切な価格というものが、重要になってくるようです。
いくら欲しくても単に安いのでは買いにくいものです。心配だし周囲の目も気になります。
みなが納得するような安くする理由が必要なのです。
また、お客様は価格に敏感ですが、安さにではなく納得感、適性感が大事です。
牛乳の時には、150円が適切と思うお客様と170円が適切と思うお客様が多くいたわけです。
140円では安すぎて誰も買わず、180円では高すぎて誰も買いませんでした。
160円は、お客様にとって買う決心をするのに決め手に欠ける価格なのでしょう。
②悪いところを直せばお客様は来てくれる
場合によります。
たとえば、東京の根岸の商店街のお店で、お店の前の通りが汚いからお客様が来ないのではと言う話がありました。
そこで、掃き掃除をして荷物もどかしきれいにしましたが、お客様は増えませんでした。
通りを歩いている人は、お店の前を気持ちよく歩けるようになっただけでした。
海苔やさんで、たまに来てくれるお客様から「北海道の海苔ってある?」と聞かれたので、「置いてないです」と応えたのですが、、、。
それ以来、来なくなってしまいました。
そこで、無駄とは思ったのですが、北海道のサロマ湖の海苔を取り寄せておくようにしたのです。
お店の前をきれいにしても、お客様は増えませんが、品揃えを増やしておくとお客様が増えるかもしれません。
悪いところでも、改善したらお客様にとって直接的にメリットがでる点でないと、意味がないのです。
③TVや雑誌に紹介されるとお客様は増える
確かに一時期は増えます。
クライアントのイタリアンレストランは開店当初いろいろな雑誌から取材を受け、グルメなお客様が増えました。
しかし、1年後、常連さんになってくれているのは、そのお店をやっているご夫婦が気に入った、近所のご夫婦でした。
もし、10年、ずっとそこでお店をやっていこうと思っているのであれば、TVや雑誌では常連さんは増やせません。
毎日の積み重ねだけが、常連さんにつながってきます。
④良い商品を作れば売れる
確かに、ものすごく誰の目にも分かるような良さがあれば、売れます。
しかし、そこまで抜きんでて素晴らしい商品を扱えるお店はほとんどありません。
どんなに美味しい料理や魚を揃えたとしても、お客様は日本中から良いものを選んで買ってくることが出来ます。
品質だけで勝負するのであれば、日本一でなければなりません。
⑤集客さえ出来ればなんとかなる
・・・なんとかなるかもしれませんが、苦しいままだと思います。
チラシやDM、奇抜なイベントなどでお客様を集めるのが上手いお店がありますが、お客様を集め続けないといけないように見えます。
新規のお客様を集めることも必要ですが、それ以上に、常連さんを増やしていくことが重要です。
常連さんが増やせるお店であれば、資金繰りに注意しながらコツコツやっていれば、確実に売上が伸びてきて楽になってきます。
常連さんが増やせない場合、集客費用が掛かりすぎて自転車操業になってしまいます。
集客がそんなに上手いのであれば、本業よりも集客方法を売った方が良いかもしれません。
⑥事業計画をしっかり作ることが大切
確かに事業計画はないと困ります。
しかし、しっかりしたものはいりません。逆に、足を引っ張ることになりかねません。
お店をやっている方には分かると思いますが、自分の予想とうりにはならないものです。
常に、想定外のことが起こります。
ですので、事業計画は、お客様に合わせて、常に修正していくべきものなのです。
計画に固執して修正できないのが、一番危ない状態です。
⑦開店するときにはチラシを大量にまいたほうがいい
違います!
開店時にチラシを大量に巻くと、お客様が大量にやってきてしまいます。
ここで来たお客様は、新しもの付きで、試しに行ってみようと思っているお客様です。
もし、お客様を捌ききれないで待たせたり、注文を間違ったり、味が落ちてしまったりしたら、、、
試しにきてみたお客様の評価は、、、もう一回は行かなくていいお店 となってしまいます。
しかも、友人知人に報告してしまいます。
チラシを大量にまくのは、お金をかけて、自分で自分のクビを絞めているようなものなのです。
⑧開店時には多くのお客様にきてもらう
⑦と同じで、少ないお客様が良いです。
少しのお客様と多く話しながら、お客様のことを学ぶのが、開店時の一番大事なことです。
⑨お客様は名前で呼ばない方が良い
そういう場合もあります。
確かに名前で呼ばれるのを嫌がるお客様もいます。
しかし、その数倍、名前で呼ばれるのが嬉しいお客様がいます。
お客様に嫌われることを避けるのを第一番にではなく、お客様に嬉しく思っていただくことを第一に考えます。
その上で、嫌われないようにするにはどうしたら良いか、対策を立てていきます。
嫌われるのを避けてもお客様の数や単価は増えません。
喜んでいただいたときに、もう一品注文が増え、お客が友人を連れてきてくれます。
⑩お客様を絞り込むと売上が落ちてしまう
最初はそうです。
確かにお客様を絞り込むと売上が落ちます。
しかし、最初だけです。
絞り込んだお客様がとても満足してくれれば、また来てくれ、もう一つ多く買ってくれ、友人を連れてきてくれます。
紹介もしてくれているかもしれません。
お客様を絞り込まないと、いくら一生懸命仕事をしても、お客様の満足度は5段階評価の4どまりです。
お客様は、満足度が5になって初めて行動(リピート、紹介、もう一品)してくれます。
そのためには、絞り込むことが欠かせないのです。
いろいろな思い込みや常識と思っていることがあると思います。
売上が少ないとき、一度、それを疑ってみてみることが現状打開になると思います。 |