本音を引き出すアンケートの作り方

「私にアンケートに答えてほしいのね! なら、コメントしてあげるわ!」と思わせることができれば、本音を引き出すアンケートも80%成功です。

 

1.事前調査を行うのは自分のため

質問表は、質問表を作る人が考えることを確認するために使われます。
普通に質問表を作ると、自然と自分が期待していたたことを確認しようとしてしまい、自分の持っている関心や考え方や価値観、好き嫌いが反映されてしまいます。

そのため、事前調査を行い、自分の先入観を減らしておきます。
WEBで同業で他店のお客様の声を集めたり、数人のお得意様に話を聞いたりしてみます。
また、全く関係のない人、自店や自店の商品に興味がない家族や友人にも話を聞いてみます。
これらでえた文章を、1テーマ1センテンスに分け、似たものを集めてグループにしタイトルをつけます。
そして、それらの関連性を線で結び、全体が一目でわかるようにします。

めんどくさいステップですが、このようにして先入観を減らすことで本音に気づきやすくなります。

 

 

2.アンケートで無記名にするほうがいいのか?

「名前を書くと書きにくい、無記名の方が本音を書きやすい」という意見がある一方、「匿名で書くのも何かずるい」という気持ちになる方もいます。

そこで、名前でもニックネームでもOKとします。

すると、良いイメージを持っていて友人にも勧めたいときや両親のように叱咤激励したいときには、名前を書いてくれます。一方、あまり友人にも勧めたくないな、あまり関係したくないなと思われているときには、匿名にしたがります。

名前を書いてくれるかどうかで、基本的な気持ちがわかります。

 

 

3.答えやすい回答項目であることと本当に必要なことだけを絞り込んで聞くことが大切

はじめの質問は、事実を聞く質問で、YES-NOで答えられもので始めます。
次に、意見を簡単に反映できる5段階評価を置きます。
その次に、事実を短い文章で書いていただく質問を置き、最後に、長い文章を書いていただく自由回答の欄を置いておきます。

調べるのではなく、アドバイスをいただく評価していただくというスタンスをとります。

①事実 YES-NO
②回数(来店回数など簡単に答えられる事実)
③5レベル評価 自分の意見を簡単に言える設問 どのくらいなどのあいまいな質問は避けます。
④言葉で事実を書く質問 朝ご飯は何をよく食べますか?など この時、パンや卵焼きですか?など誘導を避けるようにします
⑤アドバイス(良くなかった点) 悪いと思っている点を、アドバイスという形で確認します。
⑥良かった点 これは素直に聞いてしまいます。どのようなことがあったときにそう思ったのか、出来事という事実と気持ちを1セットで聞いていきます。
⑦最後に計測用の質問 「紹介してくれるか?」 この質問で満足度がわかります。満足度が低い場合、良かった点はあまり参考にできない可能性があります。
⑧感想その他なんでも 最後の最後に、感想を自由に書き入れる欄を設けておきます。書いてくれるひとは少ないですが、書いてある場合、本音であることが多くあります。

※その場で書いてもらっているのであれば、アンケートの後に雑談をします。また、郵便で家で書いてもらうのであれば、簡単な質問を多くし、最後に自由回答を持ってきます。これらによって、ぽろっと、本音を言ってくれたり書いてくれることがあります。

 

4.悪い点を聞くときに、他の人がなんと言っているのかを教えてもらうという方法

「友人の一人は、〇〇と言っていました。」
「友人が、〇〇〇と言っているのを聞いたことがあります。」
と答えるのであれば、良くないことも書けるという方が多いと思います。

ですから、本音を書きやすいように、回答者の意見ではなく、友人や知人などの意見を聞くような形で問いかけをしてみます。
アドバイスをいただく形とともに、悪い点の本音を引き出す質問方法です。

 

5.友釣り的な構成で悪い点の本音を引き出す

本音は言いにくいものですが、すでに他の人が言っていたり、聞く覚悟ができていれば話せます。

そこで、「〇〇と言われており私どもも反省しているのですが、お客様はどう思われていますか?」など、「不満に思っているのはあなた一人ではないんです。私どもも厳しい言葉を受け止める覚悟はできています」という姿勢を示すことで、書きやすくしてあげます。

 

6.皆他人から良い人とみられたいと思っているので反対を聞く

アンケートや話を聞くと、ついつい手を洗うや挨拶をする新聞を読むなど社会的に正しいこと を行っているように回答してしまいます。たとえ匿名でも、だれが書いたのかが店の人にわかるので、良いひとに自分を見せようとする傾向が出ます。
そのため、いくら便利だと思っていても手抜きと思われることには本音が出てきません。新聞がつまらないとも言えません。お店が親切でやっているサービスに対して、いくらそんなことは無駄だと思っていても、そうは言えません。

この恐れがあるときには反対のことを聞きます。

・席の案内のしかたに満足しているかどうかを聞きたければ、「もっと良くするにはどうしたらいいのか」アドバイスを求めます。すると、不満に思っていることがわかります。
・また、「高いと思う価格」を知りたいのなら、「安いかなと思い始める価格」を聞き、グラフを作成し、それを反転させます。すると、「安くはないと思っていない価格」のグラフが出来上がります。この価格の少し上が、高いとおもい始める価格です。

 

 

7.アンケートの結果をフィードバックする約束をします

アンケートに答えた方は、なんと回答しているのか?、自分と同じように思っている方は多いのか少ないのか、結構気にしています。答えが返ってくるとなると、正直に回答したくなります。

 

8.バランスのとれた小さなお礼

よくアンケートに答えると500円やクーポン券がもらえるとなっていますが、あまり高価なものでは逆効果になります。
アンケートに答えるのと同程度の報償にしなければいけません。
報償のほうが多いと思われると、その分、サービスをしてくれてしまいます。
小さな親切小さな労力には、小さな報償です
もし、子供連れなどの大変な方にお願いするのであれば、報償もそれに見合っている大きさにします。

バランスが大切です。

 

9.全体の方向性=〇〇なあなたに評価してほしい = 回答者の「なぜ私に?」

アンケート依頼された人が最初に思うのは、「なぜ私に?、頼みやすかったからなのかな? 他の人でも、だれでもいいんしょう。」「なぜ自分が答える必要があるの?」「やっぱり、売り込み?」など、結構、マイナスなことばかりです。

ですから、「あなたに教えていただきたい。あなたでないとダメなんです。」という理由が必要です。

そこで(ターゲットを子育てをしながら働いている女性の場合)、「アンケートのお願い 私どもは、より良いサービスを提供できるようお客様の意見をお伺いしております。お客様の率直なご意見・ご感想をお聞かせください。」というのを、
「あなた様の”評価”をお聞きかせください。日頃、疲れたときや腰が痛いときなどどのようにされてきましたか。子育てをしながら働いているあなたならではの視点で、私どもの「アラサーマッサージ」に対する”評価”をお聞かせ願いませんでしょうか。」とかえます。

「お客様」から「あなた」にかえます。
アンケートから評価にかえます。
評価をお願いする理由、あなたを選んだ理由を入れ込みます。
「お聞かせください」から「願いませんでしょうか。」にかえます。

「私だからこそ聞くのね! なら、コメントしたいわ!」と思わせることができれば、良いアンケートが得られます。

 

アンケートも接客の一つと考えたら、、、アンケートお願いするお客様一人一人を考慮したお願いや質問、聞き方をしなければなりません。データを集めるのではなく、心の奥にある気持ちを教えていただくことになります。アンケートの構成も重要ですが、アンケートを手渡す時の一言のほうがお客様の心を動かします。「なぜあなたの気持ちを知りたいのか」を一言にまとめ、言いながら手渡してみてください。郵送するときには、手紙を添えてください。

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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