また来たくなる接客の方法(覚える、察する、気配り、笑顔、挨拶)

 

お客様にまた来たくなってもらうのには、覚えてもらう必要があります。ふと、癒されたいな~、久しぶりに美味しいものが食べたいな~、どっか旅行に行きたいな~と思った時に、一番に思い出されるようになることです。

 

人が記憶するには4つの方法があります。

・一つは、強力に感動したとき(怖い体験も忘れられません)
・二つ目が、繰り返し体験したり覚えようとしたとき(勉強と同じにコツコツと)
・三つ目が、その分野で一番なこと(一番高い山は富士山)
・四つ目が、最後の別れで少し感動すること

 

 

1.忘れられないぐらい強力にお客様を感動させることは、なかなかできません。

また、感動の度合いは人によって大きく異なります。

お客様の忘れ物をしたとき、お客様を新幹線に乗って大阪まで追いかけ渡したとかいう逸話はありますが、一発、大きく感動させて自店を忘れないようにしようと思うのは、あまり現実的とは言えません。

 

2.小さな感動を、数多く連続して体験させるほうが、現実的です。

お得意様の多いお店やホテル、旅館に共通している特徴は、小さな感動「オッ!いいね」が数多く体験できる点です。

お客様に「オッ!いいね」を繰り返し体験させることで、記憶に定着させているのです。

たとえば、大阪のリッツ・カールトンなら、

・天ぷら屋に行けば、何も言わないのに汁ではなく好みの塩が出てくる。
・泊まりにいくと、部屋の配置や、エアコンの温度などが好みの状態になっている。
・駐車場に車を止めようとすると、係の人が「○○さま、いらっしゃいませ」と名前を呼んでドアを開けてくれる。
・一度、部屋まで案内される途中、なんとなく食べ物の雑談をしたら、それ以降、宿泊する度に部屋にオレンジが置いてある。
・クラブラウンジで、閉店後30分以上のクラブラウンジにいてもなんら普通の雰囲気。
・荷物を運んでもらったドライバーにも私と同じグラスで飲み物を出してくれる。
・赤ワインが好きで食事中に注文すると、それ以降は何も言わずにお勧めの赤ワインを教えてくれる。
・一度固い枕に変えて欲しいと頼んだら、次から固い枕が用意されている
・200人の団体パーティーで、貝類やウニのソースが苦手で食べないでいたら、ホテルのスタッフが来て別のソースを作って持ってきてくれた。
・初めてホテルにいったのに、なぜかレセプションでもベルマンにも名前で呼びかけられる。

宮城県鎌先温泉「湯主一條」も同じです。

宿に到着して部屋まで案内してもらうときに、なんとなく今回来たのは20年目の記念旅行でと話すと、食事処のスタッフにいきなり「おめでとうございます!」と言われるのです。情報が、共有されています。

ディズニーランドも同じです。
いろいろすごい逸話はありますが、地道な感動サービスも多いのです。

・ディズニーランドのカレー屋さんでジュースをこぼしてしまうと、キャストの方がすぐにき「お洋服大丈夫ですか」と、片付けをするよりも先に心配してくれ、しかも、新しいジュースをくれた。
・母と小学2年生の兄と一つ下の妹の4人で一緒に乗ろうと思っていたのに定員は3人。どうしようかと困っていると、キャストの方が『私と一緒に乗りましょう』といって妹と一緒に乗ってくれた。

また、レストランカシータも感動サービスで有名です。

 

 

3.その分野で一番なこと

たとえば、家族で回転すしやさんに行こうとなると、いつも車で10分のスシロー、かっぱ寿司も近くにあるのに、スシローなんです。

かみさんの頭の中では、回転すし=スシローになっていて、そこ以外はいきません。かっぱ寿司は、一度行ったときにまずかったらしく、回転すしやさんのリストから外されているのです。

子供の中では、パスタを食べに行くならサイゼリヤのたらこスパゲッティー、お肉を食いに行くのならビッグボーイの俵ハンバーグです。定番になっており、他のところに行くと機嫌が悪くなります。

コンビニでも同じです。

セブンイレブンは、狭い地域に多くの店を出店します。すると、前からいる他のコンビニがやっていけなくなるのです。

その地域のお客様の頭の中に、コンビニ=セブンイレブンとなってしまい、微妙にセブンイレブンに行く回数が増えます。

この微妙な回数の差が、経営では致命傷になります。

 

 

 

4.最後の別れで少し感動すること

これは、意外に効果的です。便利なのは、途中のサービスが良くないほうが効果が高いという点です。

意外かもしれませんが、いくら悪くても、最後に向かってサービスのレベルが上がっていくほうが、途中でいいサービスをして最後は普通にむかって下がるよりも、評価が高くなるのです。

いいサービスをしていて、お客様との別れ際まで挨拶に出るのに手がまわらないというのであれば、途中を手を抜いてでも最後をよくしたほうが喜ばれます。

銀座の一流クラブのママさんや売上のいいホステスさんは、よくわかっています。雪が降っていてもお客様の姿が見えなくなるまで手を振ったりお辞儀をしています。

婦人服やさんでも同じです。ワンピースを数点試着して、結局何も買わずに帰ろうとしたとき、販売員さんが「お時間頂戴してありがとうございました。またお越しくださいませ。」と優しくいってくれたり、カフェでもオーナーが店の前までいつも送ってきてくれ、「明日もいい日になりますように」って言ってくれたり、ビジネスホテルでも、ホテルを出発するときに「いってらっしゃいませ」といってくれたりします。

 

 

 

5.実は、また来たくなる接客は簡単

いろいろテクニックみたいなものばかり話してきましたが、実は、ごくごく基本を押さえれば良いだけです。

「目を見て、笑顔で、挨拶をきちんとする」これだけです。

これをいつもお客様と会うたびにしっかりできれば、十分、小さな感動を積み重ねることができます。

お店に入ってきて初めて会ったとき、注文を取るとき、運ぶとき、下げるとき、精算をするとき、何回も目を合わせ話す機会があります。これらの時に、目を見て、笑顔で、きちんと話せれば、十分小さな感動ものです。

その上、お客様のことを覚えていれば、完璧です。必ずうれしくなってまた来てくれます。

 

 

リッツや加賀屋、ディズニー、カシータなどの派手な感動接客が注目されていますが、どこも高級な大型店ばかりです。

本当のするべき感動サービスは、お客様の目を見て、笑顔で、挨拶をきちんとし、お客様の話を興味を抱きながら聞き、聞いたことを覚えておく、これで十分です。

いつも、子供に注意していることばかりです。

さらに、不満にたいして「何とか解決してあげられないかという態度で臨むことができれば、完璧です。これには、スタッフにある程度の権限を持たせてあげることが必要になってきます。

 

 

 

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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