並んでも買いたくなる新商品の作り方

 
売れる新商品を開発したいのですが、どうすればよいのでしょうか?雑誌やTVで人気の商品に自店のアイデアを加えて作っているのですが、売れません。新商品とはどうやって作るものなのでしょうか?

 

地域で商売をしているお店の新商品を、最初に買ってくれるのはお得意様です。宣伝してくれるのもお得意様です。

通りがかりの人や、わざわざ電車に乗って買いに来てくれる人はいません。いつもお店に来てくれる常連さんです。
つまり、新商品はいくら良くても、いつもの常連さんが気に入るものでないと売れないということです。頭に顔が浮かぶいつもの常連さんが喜ぶものを作れば良いわけです。

 

常連さんが良く買う商品を使って新商品を考えます。

味付け、組み合わせ、季節もの、大きさなどいくつかの切り口が考えられます。大きさを小さくし価格を下げただけでも喜ばれる時があります。

・お得意様が好きな食べ物を教えていただき、それをもとにいくつかの味(梅や抹茶など)を作ってみる。
・ワインとチョコレートが売れるのであれば、ワインチョコレートを作ってみる。
・ワッフルが人気なのであれば、春には桜味や桜の花の形のワッフルを作ってみる
・お年寄りが多いのであれば、半分の大きさの商品を作ってみる。
・半分の大きさの2種類の商品を組み合わせ商品を用意する

 

常連さんの好む商品を、いろいろな味を作ったり2種類の商品を一つにしたりして変形させていき、常連さんが買ってくれることを確かめながら、時間をかけ、最初とまったく異なるけど常連さんに好まれる商品を開発していくのが間違いないと思います。

 

 

 

<一般的な新商品の作り方>

■お客様に試用や試食をしてもらい、感じたことをなんでも素直に話してもらう。

大阪商工会議所でやっている女性中心の新商品モニター会議が参考になります。
例えば、
・ハンドクリームの開発では、べとべとしていてこれではクリームをつけながらテレビのリモコンや電話が取れないと不満を言われたので、さらさらにしました。するとヒットしたのです。 メーカーでは、クリームをつけながらテレビのリモコンや電話をつかむなんて考えもしていなかったことでした。
・歩きながら飲めるオシャレなチュウブドリンクの開発では、飲むときにこんなにチュウーチュウー音がしたら恥ずかしくて飲めないと言われたのです。男性の開発担当者には音など考えてもみなかったことでした。
・小さなお弁当屋さんのお弁当の改良では、「すごくおいしくて良いんだけど、赤い梅干しは毒々しくて大嫌い」と言われたのです。うすうす感じてはいたのですが、業者の安い梅干しはやめて他の漬けものに変えることにしました。

 

■超ワガママにまじめに対応して生まれた新製品

お客様のワガママから結構ヒット商品が生まれているのです。
・傘をたたんでそのまま電車に乗っても、車の後部座席に投げ込んでも一切どこも濡れない傘が欲しい
→ 2万円以上するヌレンザという傘ですが、ヒットし、レクサスのオプション品に選ばれています。

・家で揚げものなんて危なくてできないと思っているお母さんは多いので、油を使わないでつくれる揚げ物粉を開発。
・まな板を汚したくないというワガママママさんが結構多いのです。そこで街のお肉屋さんは、開けてそのまま皿に盛りつけらまな板を汚さない、店で作った肉料理を真空パックにして売り出しました。
・一人暮らしの高齢者には普通のパックは多すぎます。残った分を冷凍しておいても忘れて腐らしてばかりです。そこで、超少量のお肉パック&刺身パックを作りました。手間がかかり儲けは出ません。しかし、お年寄りがこれ目当て手で毎日買いに来るようになったため、他のものが売れ、売上が伸びています。

 

■市場・客先ニーズから出発する
・得意先で困っていることを解決する。
・売っている商品の欠点を取り除いた改良品を作る。

既存のお客様を訪問し、直接「困っていることは何か」、「(顧客の)製品をよりよくするために必要なものは何か」「他社の製品で使っていて困ることは何か」など、生の声を聞き続けるようにします。その会社が喜んで買ってくれる商品を作ると、他の方も買ってくれるヒット商品になります。

 

■良い点を残しながら欠点を直していく
・甘いものが好きだけど、カロリーは減らしたい。=カロリーが低いのに甘くておいしい和菓子
・漬けものは好きだけど、塩分は控えなければいけない。=塩分が少ないのに味わいのある漬けもの(発酵を活用)
・大好きな美容院にいって髪を切りたいけど、丁寧で気持ちが良い分価格も高い。=カットのみの低価格メニューを提供

 

 

<事前チェック>
まず、新商品が本当に悪いのか、確かめます。
お得意様に試用や試食をしていただき感想をいただきます。
結果が悪くないのであれば、良さが伝わっていないということになります
商品ではなく伝え方の問題と言うことになります。

 

 

地域で商売をしているお店で売れる新商品とは、常連さんが好む商品です。開発の仕方は、いろいろありますが、開発目標は、いつも来ている常連さんが喜んで買ってみたくなる商品を作ることです。 良い商品や全国的に人気のでる商品を作ることではありません。

常連さんがテレビ好きなら、テレビに出ていた新商品を真似したものでもOKです。目標の設定さえ間違わなければ、売れる新商品が作れます。

 

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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