思わず買いたくなる陳列の仕方

買い物の8割は衝動買いです。だいたい、お客様が買った商品の1~2割の商品は、お店に入るときには買おうともさえ思っていなかった商品なのです。 陳列は衝動買いと切っても切れない関係です。お客様と商品の出会いを演出するのが陳列なのです。

 

1.衝動買いのための陳列

商品には、初めから仕事などで使うから必要だから買うものと、なんとなく良いなと思って買うものと2種類あります。

目的があって買う商品は、価格が高く、接客が大切で、季節性が少なく、男性客が多いという特徴があります。たとえば、住宅、パソコン、空気清浄器などです。
一方、衝動買いする商品は、価格が低く、セルフで買うことが多く、季節性が強く、女性客が多いという特徴があります。マフラー、服、お菓子、文房具、アクセサリー、レストランなどがそうです。

衝動買いの主な理由は、下記です。
・よさそう 美味しそう
・安かった 特売 バーゲンセール
・ボーナスや臨時収入があった
・新商品、人気商品、口コミ第一位
・季節限定、ここにあるだけ
・前から欲しかったり迷って買わなかった商品を見つけた

衝動買いをする時の気分は、下記です。
・商品を見て一目惚れ
・自分へのご褒美に、テンショ ンが上がっている
・ストレスが溜まっている
・気分を上げたい、元気づけたい

①お客様が、皆、一目ぼれするような商品はできるだけ素敵に見せながら、できるだけ多くのお客様に見せましょう。
→ スペースをぜいたくに使った陳列をする。量を感じさせてはいけない。

②お客様は、よさそうな商品や新しい商品が、「今だけ(セール中だけ)」もしくは「あるだけ」と限定で安くなっていると、つい買ってしまいます。
→ 人気のある商品や新商品のセールは、一番目に付くところで目立たせながら、でも、数はそれほど残っていないように見せましょう。

③陳列は売るためのものですが、その前に、お客様を元気づけるような陳列にしましょう。
→ ウキウキして買いたくなる雰囲気を陳列で作ります。たとえば、果物屋さんの店頭には、カラフルな果物がきれいに山盛りに置いてあり、周りの人の目を引き付けています。そして、見た人は晴れた気分になります。

 

2.外から見える位置に引いてくる商品を陳列し、売る商品を通して奥に魅せる商品を陳列する。

お店にはお店を支える3種類の商品があります。「お客様を引いてくる商品・売る商品・お客様を魅せる商品」
・「引いてくる商品」とは、お客様を店に連れてくる商品で特売品などをいう。
・「売る商品」とは、利益がでる商品で、積極的に売り込んでいく商品である。
・「魅せる商品」とは、売れなくてもよく、お店の格やイメージを高めるステータスを感じさせる商品をいう。

 

3.商品が少なくなったら高級品の横に陳列場所を変える

陳列には最低陳列量というものがあります。最低陳列量を割ると、お客様の購買意欲が一気に下がって極端に売れなくなります。
たとえば、ゴンドラにトマトのパックを山積み陳列した場合、ゴンドラでの底面が見えてくると、なかなか売れなくなっていきます。
そこで、残った商品を高級品の横に陳列しなおします。

 

4.売れている商品の顔を多く陳列する

フェースの原理
・売りたい商品ではなく、売れている商品のフェースを多くすること。
・いくら良い商品でも、売れていなければフェースを少なくすること。

 

5.もともと低価格帯の商品を割引している場合にはゴンドラやカゴにジャンブル陳列する

もともと質がよく高い商品は、安うりの時でも魅力的な陳列(ディスプレー)をする。
食べ物や飲み物は、在庫はいくらでもあるといった豊かなイメージを持たせるために前進立体陳列にする。

陳列は知らない間にお客様にイメージ(メッセージ)を与えています。

①たとえば、コンビニの飲み物などの前進立体陳列は、商品がいくらでもあるといった量の多さを感じさせています。つまり、「この商品は在庫がいっぱいあって品切れしませんよ」というメッセージになっているわけです。

②なかなか仕入れできないプレミアム商品や少し高価な品質が優れている商品の場合は、プレミアム感や品質の高さを演出した陳列にします。周囲にスペースを設けたり関連商品と一緒にかっこよく展示し、「この商品は他とはものが違います!」というメッセージを送ります。

③レジ前のエンドなどに見切り品を置いてあるジャンブル陳列は、「半額」シールを貼り、「お店としては儲けなし覚悟で投げ売りしているんです。」という、メッセージを送っています。ですから、棚のエンドでゴンドラで島出しになっている商品を見ると、「安くなっている」と思ってしまったり、前の価格の紙の上に新しい価格の紙が貼ってあると、前よりも安くなっていると思ってしまうことも少なくありません。

 

6.関連したり連想する商品は並べて陳列する

お客様は、商品を見ながら、関連のする商品を思い出しています。
パンとごはん ごはんとふりかけ、ふりかけとお弁当、、、
関連のある商品を近くに並べてると、その商品も買っていくことが多くなります。

お客様は、先に見た商品を基準にその隣にある商品を比較検討します。
高いブランド品の右に安いノンブランド品を置くと、全然売れなかったノンブランドが売れるようになります。
たとえば、無名のメーカーの石鹸はゴンドラでいくら安くしても売れないのに、棚で、花王の石鹸の隣に置くだけで売れるようになるんです。

 

7.レジや出口に向かって歩いているお客様のために商品を陳列する

お客様は、買い物がおわって気が緩んだ時に、思ってもいなかったものを買ってしまうことがある。

たとえば、
・スーパーで、やっと商品を選ぶのがおわり、精算しにレジに行く途中、たばこやガム、飴、安いスイーツなどの小物をつい買ってしまいます。
・お店に寄ったのに買いたい服が見つからず、店の出口に向かって歩いているときに、安くて良い服が目に入ってくる。

 

 

8.楽しませる陳列

・毎日の食材を買いにくスーパー : すぐに欲しいものが探し当てられる陳列
・コンビニ : いろいろな商品が見やすくて手に取りやすい陳列
・IKEA : こども部屋をまるごと作ってしまい、入って体験できる陳列
・北野アームス : レトルトカレーの棚ならレトルトカレーを日本中から集め棚一面に並べる陳列 選ぶ楽しさ
・ドンキホーテ : ジャングルのような量感でわかりにくい陳列 宝探しの楽しみ
・シャネルブティック : 商品よりも高級な雰囲気を味あわせるための陳列
・ビレッジバンガード : 店長の独特な世界観をドキドキしながら探検する関連陳列
・あさひ自転車 : 大きな商品を壁一面につるす迫力ある量感陳列

 

陳列は、お客様が欲しいモノを探しやすいようにするためにあるのではありません。
お客様が、買い物を楽しむためにあります。「魅力的な商品に出会ったり、忘れていた商品に再開したり、選びきれない楽しさを味わったり、宝探しをしてみたり、不気味な世界を歩いてみたり、見ているだけで元気が出てきたり、今しか買えないというドキドキ感を楽しんだり。」

工藤 英一

About 工藤 英一

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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One Response to 思わず買いたくなる陳列の仕方

  1. 山根 賢二 says:

    百貨店に出店している健康食品売で、サプリメントの箱もの(高価品)から、袋物の低単価品の陳列で特に注意する点を教えて頂きたい。
    宜しくお願い致します。

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