客数を維持・向上させる方法

 

大手が近隣に出店しお客様が減ったところから、お客様の数を維持、向上させていくにはどのようにしたらいいのか?

ポイントカードもお客様のロイヤリティーを高めることには、期待するほど効果がないのが実情です。お客様はやっぱり安いお店に行ってしまいます。でも、そうでないお客様も結構います。

 

 

売上の構成としては、「客数×客単価」になります。
「客数」を2つに分けると、「既存の顧客」と「新規の顧客」に分かれます。
さらに、「既存のお客様」の場合には、「お客様の数」×「来店頻度」がお客様数となってきます。

一般的には、「新規の顧客」を獲得するよりも、「既存顧客の来店回数」を増す方が、販売促進コストは少ないと言えます。

 

1.一般、既存顧客の来店回数を増加させるには、「会員カード」や「DM」を使います

しかし、他に、品揃えや安いお店ができると、やっぱりそちらに流れてしまい、お客様のロイヤリティーを高めることには、期待するほどつながっていないのが実情です。

※ あまり会員制度をやりすぎて、逆にお得意様が離れていってしまったお店もすくなくありません。ポイントカードやスタンプカードは、お得意様へのお礼であり、さらに買わせようとたきつけるものに使うと失敗します。

 

 

2.近隣に自店しかない場合、来店していただいているお客様には、3種の方がいます

「ここしかお店がないから仕方なく買いに来ている方」、「お店が近くにあって便利だから来ている方」、「このお店が気に入ってきている方」の3種類です。

もし、近くに良いお店ができたら、

品揃えが豊富で安くて駐車場が広いお店ができたら、ここしかないから仕方なく買いに来ている方の全員と近くにあって便利だから来ている方の半分が、そちらのお店に行ってしまうでしょう。

残るのは、「近くにあって便利だから来ている方の半分」と「ここが良いと思ってきてくれていた方」だけです。

 

また、近くにできたその良いお店よりも、品揃えや価格を安くできないのであれば、向こうに流れてしまったお客様を取り戻すことはできません。

そのため、お客様を維持し増やしていくには、ここがよいと思ってきてくれているお客様を増やすしか手がないのです。

 

 

3.一方、大型のスーパーも売り上げを落としてきいます

反対に、小型のスーパーが売り上げを伸ばしてきており、大手も小型のスーパー(イオンのマイバスケットなど)を出すようになってきています。

この背景には、小さい範囲の少ないお客様に対して、価格や品揃えよりも、よりきめ細かい対応をするほうがリピートしてくれるようになっていることがあります。特に、高齢者のお客様には、この傾向が強くなっています。

 

 

4.既存のお客様のロイヤリティーを高める方法を考え出すには、

・安売りでお客様を引きつけることはあきらめます。
・このお店が気に入ってきている特定少数のお客様をターゲットとします。
・ポイントカードやスタンプカードを用いて顧客リストを作成します。
売上や来店頻度とともに、日頃からお客様を手伝ったりしながら会話し、お客様に関する情報を多く集めます。
・その狙ったお客様に、どのようなことをしたら喜んでもらえるか(付加価値を感じる)、信頼感が増すか、伝わるかを考えます。
ことをしていきます。

 

 

5.喜んでもらえ(付加価値を感じる)・信頼感が増し・伝える方法としては、

①喜んでもらえること
・「作りたて試食会」などのイベントにお得様だけを招待する。
・疲れたら休める休憩場所を作り、お茶をだし、雨が降ったら傘をあげ、重い荷物は運んであげるなどのサービスをする。
お年寄りの会員さんには、ポイントは映画や銭湯でも使えるようにする。

②店の姿勢を見てもらい信頼感を高める
・クレームを張出し、その解答や対応も近くに張り出す。
・近所の清掃やお祭りに社員に応援に行かせたり、食材を提供したり、露店を出したりし、地域の方との信頼関係を築いていく。

③宣伝
・自社でSEO対策に取組み、HPを多くの人に見てもらう。
・手作りPOPや売れ筋ランキングを掲示する。
・チラシを自作し手配りする。
・地元のケーブルテレビや雑誌に取材してもらう(社会貢献活動を行う)。
などが考えられます。

 

 

6.事例  福岡のダイキョーバリュー(スーパーマーケット) ============

社長が、激安競争に巻き込まれ「体力勝負を続けると、いつか大型スーパーに負ける。違う価値観を確立しないとまずい。」と考え、お客さまに、『申し訳ない』と思われるほどの感動させてお得意様にしていくスタイルを作った。

1.ダイキョウーバリューがファン顧客をつくるためにおこなっていること
ダイキョーバリュー弥永店には、一日平均4000人が来店する。
お客サービスの費用は、年間1千万円以上かけており、売上は27億円。同地区同じスーパーの五倍以上の費用をお客様のサービスにかけている。

■徹底的に、お年寄りや、子供連れの主婦など弱い立場のお客様を助けることをおこなっている。
①夕方、レジが混雑して並んでいると、お客様に飴やガムを配ってくれる。
②足腰の弱い1人暮らしの高齢のご老人には、車で家まで送迎してくれる。
③荷物がたくさんになると「車まで運びましょうか?」と声をかけてくれる。
④お茶のセルフサービスがある。
⑤荷物の搬送サービスをしてくれる。
⑥雨の日には「ご自由にお使い下さい」とタオルが置いてある。
⑦急な雨の時、困ったお客を見つければ、陳列した商品の傘の包みを破って「どうぞ、お使い下さい。
今度、ご来店の時に、お戻し下されば結構です。」と差し出してくれ、名前や返却予定を聞くこともしない。
⑧商品を精算後、かごを片付けようとすると、店舗に2~3人配置されたお客様係がさっと手を差しのべて片づけてくれる。
⑨小さい子どもを抱えたお客やお年寄りには、袋詰めをかって出てくれる。
⑩「お友達から誕生日プレゼントでもらった大事なマイバックを落としてしまった」と店員さんに相談すると、必死に店内を探し回ってくれる。
⑪あちらこちらで、お客は従業員と会話を楽しんでいる。お客が従業員に「いつも、明るく頑張っているね。」と言えば、従業員はお客に「おばあちゃん、いつまでも元気でね。」と優しく返してくれる。
⑫日曜朝市では、朝から行列に並んでいるお客様に、300人分のとん汁、甘酒、ぜんざいを朝早くから来てもらっている御礼として無料で提供している。

2.成果
価格は高いのに、1日に2度、3度と来店するお客様が多い
・価格は大手のスーパーより高く、チラシには、特売品や衝撃的な価格は一切載っていない。
載っているのは、従業員の笑顔と「一日一善で頑張ります」「結婚しました。がんばります。」「子猫が産まれました。」という従業員からの挨拶や報告だけ。

にもかかわらず、1日に2度、3度と来店する人も珍しくなく、中には4度の人もいる。
・お客は買い物に来ているのだが、人と人のコミュニケーションを求めて、来店している。
多くのお客は、従業員と話しをすることを楽しみにして1日に何度も来店する。
引きこもりがちなご老人は、ダイキョーに行って話すのが楽しみになっている。

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大手のお店に、品揃えや安さ、新鮮さで勝てない場合、他で勝負するしかありません。悪いなと思ってしまうほど親切なお店、来てくれ続けてくれるお客様へ徹底的に儲けを還元するお店、お客様は意外と義理人情を大切にするようなのです。

 

 

 

 

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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