徹底したかゆいところに手が届くサービスで復活した街の電気店

きちんと、電球一個換えてあげることに感謝してくれるお客様を選んでサービスしなければ、このやり方の効果が出ません。心から感謝してくれ、信頼してくれ、買うなら〇〇さんと思ってくれる人でなければなりません。

■徹底した地元密着で復活

大手の量販店に押され低迷していた街の電気店は、かゆいとことに手が届くサービスをすることで、地元のお年寄りを中心に人気を集めるようになってきました。

しかし、どのようなお客様にでもこの方法が通用するわけではありません。下手をすると、ちょっと洗濯機の調子が悪いだけで呼び出されてしまい、行ってみるとコンセントがきちんとはまっていなかっただけ、、、結局無料でただ働き。買うのは安い家電量販店という、ただ働きの小間使いになってしまいます。

 


 

アトム電気チェーンに加入している電気店

家族で経営している街の電気やさんの(仮定)
売上     2000万円従業員    3名(家族)事業     家電製品の点検修理、販売

(アトム電器チェーンとは)
会社名    株式会社アトムチェーン本部本部所在地  〒583-0871 大阪府羽曳野市野々上4-6-5設立    1989年11月(創業は1971年)資本金    1億円代表者    代表取締役社長  井坂 泰博売上高    年商 200億円(平成22年度 加盟店全体)事業内容   加盟店への家電・住設製品販売および販売促進支援取扱メーカー 三洋・シャープ・パナソニック・三菱・日立・ソニー・東芝、ダイキン・ビクター・三菱重工・パイオニアなど多数

1.背景
家電量販店が増え、かつては6万軒以上あった町の電器屋さんも今では3.5万軒まで減ってきている。本来、各地域で町の電器屋さんたちが担ってきた、配送、取付け、修理、取扱説明など多岐にわたる役割がなくなってきている。
アトム電気では電器屋本来の「高い技術」と「小回りのきく細やかなサービス」と1000店のチェーン全体での仕入を本部が引き受けることで、街の電器屋さんが量販店と同等の価格で販売できるようにしている。
修理、延長保証やクレジットなど、保証制度も充実させている。加盟店は、月5万円を払うだけで、ノルマもロイヤリティーも店名の交換もする必要がない。ただ、店先にアトムチェーンの旗を立てればいいだけである。

このチェーンに、街の電気屋さんが加盟し、地域での復活を図っている。

 

2.加盟店が固定客の深堀と増やすためにしていることの例

街の電気屋さんのマーケットの特徴
・多くの商品をいっぺんに実際に触ってみて比較することは出来ない
商品は、量販店と同等の種類と価格で提供できるが、店内が狭いため展示は少ない。そのため、電気製品を、店に行って触ってみたり見たりして比較することはできない。

・商圏はコンビニと同様 (コンビニの店数44000店 電器屋さん35000店(以前は60000店))。工事や修理専業だった電器屋さんが、家電製品を販売できるようになる。

・チラシによる集客は出来ない(街の電気屋さんの場合、チラシは効果がない)近所の人で店を知っている人や、口コミ、紹介などがないと、新規のお客様と出会うことが出来ない。

1)既存のお客様には1~2ヵ月おきにダイレクトメールを送る
アトム電器の特選カタログを送るようになってから今まで興味を示さなかったお客様が興味を示すようになった。※ 価格と品揃えが量販店と同等になってきているためと思われる。

2)ホームパーティーによる口コミ販売促進をする
毎月1回の頻度で、ケーキや煮物・揚げ物などのホームパーティを開催し、近所の方を集める。
例えば、IHの販売促進をしたい場合。 お客様リストの中から、IH既に購入して使っているお料理好きの奥様(お客様)を探し出し、協力を依頼し、その方の家でホームパーティー形式で開催している。

3)訪問では意見や感想を集め、小さな恩をこまめに売る
「訪問販売用のカタログ」を持っていき、カタログを説明することを口実に、
・お客様の 「小さなニーズ」「小さな問題・悩み」を聞く。・新型テレビの操作を何回でも教えてあげる。・高い所の電球切れを代わりに交換してあげる。
などをしてあげ、困っていることや、考えていること、感想などを拾い集めている。また、ちょっとした恩を売っている。
※結局、量販店で買うようなお客様とは付き合わないようにする。

4)店頭にきていただいたお客様には、買わなくても楽しい時間を過ごさせてあげる
・お店に来たお年寄りにはお茶を出してあげ、長話に付き合い楽しく話をさせてあげる。
・地方の名産品をプレゼントにしたイベントを開き、来ていただいたお客様にいいお土産になるようにする。

5)移動のついでにこまめに訪問する
街中を仕事で移動中、時間があればできるだけお客様の家にに寄ってあげ、困りごとはないか様子を伺っていく。

6)なんでも修理に対応する
・電球や蛍光灯の交換といった軽工事にも気軽に対応する。
・他店で購入された製品や、いろいろなメーカー(国内)の製品の修理にも対応(有料)。

7)呼ばれたらすぐに駆けつける
・何かあったらすぐに駆けつけて対応する。
地デジ用のアンテナについて聞かれたら分かり易く説明してあげ、翌日には出張し地デジ対応のアンテナの設定やテレビの調整をする。

8)使えるようになるまで見放さないで面倒を見る
・使い方がわかるまで何度でも伺って教える。
・無線での接続方法、DVDの接続やパソコンとの接続なども代わりにおこなう。
・テレビや洗濯機が壊れたら修理が終わるまで貸し出しをしている。

9)手続きなどの周辺知識も提供する
・補助金などについての説明
オール電化に関わる補助金について、国や自治体の制度や補助金を申請するのに必要な書類や届け出先などを分かり易く説明してあげる。また、補助金を試算できるホームページなど役立つ情報を提供してあげる。

 

3.成果

・加盟店が2008年から2011年で500店から900店へ、400店増加。街の電気屋さんの売上が伸びている。
福岡県飯塚市に店を構えるエフォートは平均月商150万円、粗22万5000円しかなかった売上を、2009年2月以降平均月商には3倍以上の して約2倍の280万円、粗利額70万円にまで押し上。


 

最終的に商品を買っていただけるからこそ、電球付けや点検や使い方の説明、簡単な修理を無料でサービスすることができるわけです。いくらサービスをしても、1円でも安いものの方が良いと値段重視で量販店で買いものをするお客様の場合や、これらのサービスは「量販店でも無料でやっているのだから電器屋さんでも無料があたりまえでしょ」と思っているお客様の場合には、このやり方は通用しません。

やはりお客様を選ぶことが必要になってきます。

 

 

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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徹底したかゆいところに手が届くサービスで復活した街の電気店 への3件のフィードバック

  1. 岩本 保 のコメント:

    アトムさんに、TVを持って行き画像チェックして貰い液晶の故障だと言われました。で1000円請求されました。確かにアトムさんで購入したTVではないので無料でとはいえませんが、
    リモコンで画像チェックしただけで1000円にもおどろきましたが、店主の「1000円ぐらい置いて行ってよ」にはびっくりしました。ぐらい…って…
    アトムさんすべてがそうだとは思いませんが、二度とアトムさんで買い物することは無いですね。
    客を選ぶことは大事でしょうが、客もお店を選びます。

    • でんきや のコメント:

      体調が悪くて、病院に行ったら同じことが言えますか?
      それならば、購入したお店に持っていけばいいと思いますよ。
      自分で判断できなくて、プロに見ていただくのでしたら、それ相当の対価を
      支払わなくてはなりません。

  2. 浩博国际体育投注 のコメント:

    当你快乐时,你要想,这快乐不是永恒的。当你痛苦时,你要想,这痛苦也不是永恒的。

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