繁盛店になるための品揃え

 

少ない資金と売り場面積で品揃えを充実させるには、「絞り込んだお客様にとって良い品揃え」にするしかありません。また、いい品揃えとは商品がなんでもあることをいうのではなく、お店に行くたびに商品を見たり選ぶのが楽しくてしかたがなくなることをいいます。

 

1.お客様から見た「いい品揃え」とは、そのお客様が買いたくなるような商品が、いつでも、たくさんあること

■良い品揃えとは
・自分の欲しい商品が置いてあってうれしい。
=見ると買いたくなる商品がある
=必要なので探している商品がある
・お店に行くたびに新しい商品や話題の商品があって面白い。
・商品が豊富に感じられ、好きなものを自由に選べて楽しい。
・商品の売れ行きがよく、いつも新鮮な商品が置いてある。
・値段が手頃で手に入れられる。

商品の数が多くても、品揃えが多いとはなりません。
お客様にとって、必要でもない、欲しくもない商品に買い物を邪魔されのは不快です。
お客様にとってうれしいのは、自分の欲しい商品がたくさんあり、みな買うことができ、選ぶのに迷う、うれしい悲鳴をあげることなのです。

ですから、お客様にとって豊富ないい品揃えとは、「そのお客様が買いたくなるような商品が、いつでも、たくさんあること」です。

 

 

2.商品は「売れ筋商品」「店が売りたい商品」「魅せ筋商品」「その他」の4つある

4つの比率は、だいたい 2:3:1:4 です。
この比率で品揃えをしていくと、品揃えの良さを感じさせながら売れない商品を減らしていくことができます。

成城石井でも商品を、
①売上ランクが上位で荒利率が平均以上の商品(売れ筋商品128品)
②成城石井として自信のある売り込めば売れそうな商品と部門と売場の人が売り込みたい商品(16品)
③成城石井らしいオリジナル商品(魅せ筋商品)
と分類することで売上を伸ばしています。

①売れ筋商品とは、
定番商品のことで、ほっといても売れる商品です。
スーパーなら陳列棚の中段から下段に置かれているパスタなどの目立たない商品やまとめて売っている商品です。
サイゼリヤならミラノ風ドリア、マルゲリータピザ、小エビのサラダ、それにライスやドリンクバーで、酒屋なら生ビールとカクテルです。
セールに使うと効果の出る商品で、このカテゴリーの品揃えを増やすと売上げが伸びます。

②店が売りたい商品とは、
お店の一押し商品で、一番目立つところに、POPなどを付けて置きます。
スーパーなら目の高さの棚やエンドのゴンドラにドカッと置いてある商品で、サイゼリヤならイタリア産のハムを載せた「熟成生ハムピザ」がそうです。
解説を付けたり、売れ筋商品と組み合わせたり工夫して売っていきます。

③魅せ筋商品とは、
一部の根強いファンがいて、その商品があると豊富な品揃えや専門度が高い店という印象を与えられる商品です。
スーパーなら、棚の上段に置かれているピザソースなどの少し通な商品で、サイゼリヤならイカの墨入りスパゲッティや食後酒のグラッパがそうです。
売れなくても構いません。「こんものも置いているんだ」とお客様に分かれば、十分です。
※お得意様が年に1個買う商品もこれに入ります。そのお得意様しか買わなくても、必ず、揃えておきます。

 

 

3.顧客に合わせて品揃えをしていかなければなりません

地域に密着した品揃えは必須です。
コンビニエンスストアでも、学生が多いお店では揚げ物系のボリュームのある弁当を多くし、高齢者の多いお店では惣菜系のお弁当を多くします。
スーパーの北野エースでも、高齢者の多い浅草店では「和菓子」を豊富にし、大宮店では通勤帰りの人たち向けに「弁当」や「総菜」を多く取り揃えています。
居酒屋でもレストランでも同じことです。

 

 

 

4.そこで、売れ筋を参考に品揃えを改善していきます

①たとえば、飲食店なら、季節に合わせて思い切って全メニューの2~3割を変えていきます。
ABC分析やカテゴリー分析をおこない、Cグループの売れない商品を売りたい商品や期待できる商品に入れ替えてしまいます。
※この時、魅せ筋商品まで切ってしまわないように気を付けます。

②売れ筋ばかりにしていくと他店と似たようなメニューになってしまうと感じる場合には、カテゴリー内で品揃えを良くしていきます。
ワイン、ビール、ピザ、パスタ、魚介料理、肉料理、サラダなどのように、カテゴリー毎に比較していき、売れているカテゴリーの商品を増やしていきます。
たとえばビールの場合、海外などのビールを取り入れ種類を増やすわけです。

③また、ある商品が売れたら、その商品に関連した他の商品を一緒に並べることも売り上げを伸ばします。
売れた商品に関連する商品を並べることで、その商品に興味をもつお客様に対して、気になる品揃えが出来上がります。
たとえば、服ならコーディネート一式、料理なら同じ材料を使った他の料理、本なら作家のバックナンバーや本の中で引用された本を並べるようにします。

 

 

5.「必要な商品を探しているお客様」にお店がしていること

その分野で、品揃えが日本で一番多く、大抵のものは揃っていて無い場合にものは探し出してくれるところが多いです。
「この商品ならここのお店」となるように、品揃えを徹底的に深くしています。

たとえば、芸術家や歌人、大学教授向けにニッチな分野の人文系書籍を揃えているわずか10坪の本屋
現代思想や哲学、短歌などのほかに、非流通本や個人出版物、雑誌のバックナンバー、特価本など約1万冊の本を揃えています。
芸術家や歌人、大学教授などに口コミで広がり、固定客を多くもっています。

 

 

 

6.「なにかいい服ないかな~美味しいものないかな~と思って遊びに来ているお客様」にお店がしていること

なにか良いものないかな~と思って来店しているお客様は、
・お店に行くたびに、惹かれる商品、新しい商品、話題の商品があって面白いこと
・商品が豊富で自分の好きなものを自由に選べる
という、商品の他に、楽しさや面白さを求められています。

楽しさや面白さを提供できている専門店が繁盛しています。

たとえば、ビレッジバンガードには、店長の独特の少しアングラな世界を探検するドキドキ感が、ドンキホーテにはジャングルの中の宝物さがしのようなわくわく感が、ダイソーにはエッこんなものまで100円!といったものに出会う驚きがあります。
また、カルディコーヒーファームは、30代の女性のお客様に、海外旅行のお土産でもらうような商品や珍しい商品1500点を提示しています。欧州の図書館をイメージして設計された異国情緒漂う雰囲気のお店で、コーヒーを飲みながら、まるで本を探すかのように楽しみながら商品を選ぶという楽しさを提供しています。
同じように、成城石井でも、世界や日本全国からおいしさと質にこだわった個性的な商品を集め、そんなこだわりの商品を選ぶ楽しさを高収入の家庭の40~60代女性に提供しています。

しかし、わたしたちは、ビレッジバンガードやカルディコーヒーファームのように多くの商品を揃えることはできません。
限られた品揃えの専門店となります。

 

 

 

7.品揃えの数は限られていても、揃えている商品がそのお客様の好みに合っているとお客様は品揃えが良い(豊富)と感じます

まず、ターゲットのお客様を決め、そのお客様にとってもっとも品揃えの良いお店になっていくことを目指します。
※そうすれば、大型店や他の専門店に勝てます。

たとえば、静岡県の奥さんがパートさんと二人でやっている子供服のお店では、奥さんが今まで買ったお客様とそのお客様が買った服をすべて覚えていて、仕入れの時も「これは〇〇ちゃんの「Aの服」とコーディネートすると良いからと買っておこう」と思って仕入れています。
そうすると、〇〇ちゃんのママさんからすると、「あのお店は、いつ行ってもうちの子に似合う服がいろいろ置いてあってうれしんです。」という感想になります。

品揃えは、普通「4.」で書いたように、売上データを使って売れている商品に沿って品揃えをしていくのですが、

わたしたちの場合には、
①まずターゲットのお得意様を決め、
②そのターゲットのお得意様が喜ぶ品揃えを作っていき
③「売れない商品」を「売りたい商品」に入れ替えていきます。

ターゲットは、お得意様の中から最もお店に貢献してくれているお客様を選びます。
購入金額や購入点数、または紹介していただいた人数によって選びます。

②では、ターゲットのお得意様が、驚く商品、大喜びする商品、飛びつく商品を考えていきます。
(過去に買った商品、今まで話したこと、喜んだことなどを思い出しながらどのような商品が良いのか考えていきます。)
これによって、絞り込んだお得意様に対してすごく喜ばれる品揃えをすることで、商品点数を押さえながら訴求力の高い品揃えが作れます。

その後、順次、ターゲットとするお得意様を増やしていき、お得意様にそって品揃えを増やしていきます。
その後、「4.」に戻り、「売れない商品」を「売りたい商品」に入れ替えていきます。

 

 

 

品揃え自体もお店の商品の一つです。

お客様の、目的の商品を手に入れたい、ショッピングを楽しみたいというニーズを満たすものです。しかし、お店に来られるすべてのお客様のニーズには応えられません。

そのため、お客様を選び、そのお客様が楽しんだり、発見したり、感動する品揃えを作りこむわけです。

 

 

 

 

 

 

 


工藤 英一

About 工藤 英一

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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