お客さまの反応がよいDMの作り方

 

チラシとDMの違いは、目的です。
個人の場合、チラシは地域全体に配り、強力な特典でお店に興味のある人をあぶりだします。
DMは、一度来店して住所を教えていただいたお客様に送るもので、お店からその方への提案に近いものです。
法人の場合にも、DMは新規や既存のお客様にかかわらず、お店からその方への提案です。

また、個人のお客様は、来店での衝動買いをします。ですから、お店が近くや通り道や商店街にないと困ります。しかし、法人のお客様はメリットを考えた計画的な買いをしますので、お店が近くになくてはならないわけではありません。

ですから、絞り込みが大切なのです。

ちなみに、新聞折込チラシは1回もお店に来たことがない人へ、DMハガキは1回でもお店に来たことがある人に送るものですが、「新聞折込チラシ」の反応率が0.1~0.2%であるのに対して「DMハガキ」の反応率は3~15%です。

つまり、「1回でも来店した人」は「1回も来店したことがない人」の、30~150倍も反応するのです。

ハウスリスト(一度でもお店に来たことのあるお客様のリスト)を集めるということは、格段にDMの反応率をあげ経費を削減することなのです。

 

DM(ダイレクトメール)を成功させるカギは4つあります。

①ハウスリスト(1回でも来店したことがある人のリスト)を集める
②顧客の絞込みをする
③セールスレターの内容が感情に訴える
④販売する商品の魅力や特典(オファー)が魅力的

 

DMは、配送費も込みで、安くても1通100円掛かります。1000通では10万円です。
1000通配って新規の個人のお客様が3人獲れたとしても、一人獲得するのに3万円もかかっているわけです。
粗利を60%とすると、この3人には一人5万円の商品を買ってもらって、やっと経費を賄える程度です。
しかも、リピーターになっていただけるかどうかわかりません。
ですから、通常、個人の新規のお客様を開拓するのにDMは使いません。
化粧品やよほど高価な商品の場合だけです。
DMは採算の合う、お得意様、休眠客、法人のお客様(新規と既存)に使います。

 

 

 

 

1.個人のお得意様へ送る場合

お得意様には、手書きでDM(ダイレクトメール)を書きます。
単なるセールのお知らせではなく、いつも来てくれている感謝を伝えることが目的です。
セールや特典はそのお礼であり、お店に誘うためのものではありません。
顧客カードをみて、前回買われた商品の事や、今のトレンド、前回話していたことなどを交えて、手紙を書く感覚で書きます。
お客様を特別扱いすることで、来店してくれやすくなります。
電話で集客するときも同じです。この前買われた〇〇はどうですか?などの一声はとても重要になってきます。

お得意様は、広告費なしでお店に来ていろいろ買っていただいている分、かなりの利益に貢献していくれています。
ですから、いくら手間をかけて手紙を書いても、破格な特典を付けても大丈夫です。
また、来ていただければ何かしら買っていただけます。
ですから、お得意様へは素直に感謝を伝えることが一番の営業なのです。

 

2.個人の休眠客の掘り起こしの場合

休眠客を掘り起こすには、関係を作り直すことから始めなくてはなりません。
しかし、関係がゼロではないので、うまく良い切っ掛けを提供できれば大丈夫です。
たとえば、ポイントの交換、アンケート、スクラッチなどのゲームなどをきっかけとして活用していきます。

■スタンプカードを作ったのはいいけどそれっきりのお客様の場合
お歳暮やクリスマスや正月などの他人に何かをプレゼントしなければならなくて費用が掛かる時期に、
チラシで、
「以前の古いカードをお持ちの方へ サービスカードをリニューアルしました! 12月末までに古いカードをお持ちいただければ、今のポイントをそのままその場で換金させていただきます! 」
と知らせます。
すると、ポイントを現金い交換しに来店してくれます。この時に、ポイントカードに切り替えていただき、名や住所をメールアドレスを教えてもらいます。
また、お得な商品を用意しとけば、売り上げも上がります。

 

■だいぶ距離感ができてしまったお客様の場合
メルマガを送っても削除され、電話をかけても嫌がられる可能性が高く、関係を作るきっかけがつかめません。
もしアンケートのお願いに応えてくれれば、お礼として商品やサービスの割引券を贈る事ができます。
※割引券を謝礼とするのは、最もコストが低く、またリピート購入に至る可能性を高める事ができる為です。
DMをアンケート形式で作成し、案内文に「回答してくれた方には、お礼としてクーポン券を送付します。」と明記しておきます。

アンケートの設問例
①顧客の近況 : 今後、リピート購入を期待できるのか、住所などが変わる予定があるのかなどが見えて来ます。
②詳しい資料を送って欲しい製品、サービス:カタログやパンフレットといったコストの高い販促ツールの送付先を、必要としている顧客のみに絞り込め、休眠顧客全員へ送らずに済みます。
③弊社の今後に期待されている事:営業を改善して行く為、次回のアンケートDMの内容を改善アイディアとなります。
④アンケートに協力してくれた理由:弊社に抱いている顧客のイメージ、謝礼の良し悪しなどが見えてきます。

 

■少し時間が空いてしまっているお得意様
ゲーム感覚の遊びながら特典を手に入れられるDMを送ります。
たとえば、スクラッチ付き(割引特典)のハガキDMを送ります。削る時にワクワク感があります。

 

 

 

3.新規の法人のお客様の獲得が目的の場合

顧客のリスト
良いリストを作ることがDMの決め手です。
リストが悪かったり情報が少なく細分化されていないと反応率が格段に落ちます。
リストは、会社のHP、業界名簿、iTOWN-PAGE、業者から購入するなどして集めます。
手に入れたリストは、細かく各社の特徴ごとに分けていきます。
各特徴を絞り込んだグループに分け、グループごとに合わせたDMを作成していきます。
業種ごと、駅前と郊外、規模など、同じような問題や課題を抱えているグループに分けていきます。
これらの問題や課題を解決するのが、提案する商品です。
このグループ分けがうまくできると、反応の良いDMが作りやすくなります。

販売する商品の魅力や特典(オファー)
法人客は衝動で買うことがありません。買った商品を使って成果を上げることが目的です。
そのため、商品に興味を持ったお客様は、資料や小冊子、試作品など商品の効果を事前に示すものを欲しがります。
これらが、特典となります。
オファーは、セールスレターの後に、追伸として別につけ申し込み用のFAX記入欄も載せておきます。

セールスレター
※新規の顧客なので、挨拶は書きません。
初めてなので挨拶が必要に思いますが、親近感もないこともあり、逆に挨拶を書くとすぐに捨てられる原因となります。

■チラシと異なり、DMは読ませることが目的です。
見出しで注意を引き、書き出しで興味を引き、読んでいくに従い欲しいと思わせ、最後に資料などを請求させることを目的としています。
そのためには、相手のニーズや困っていること、価値観などをよく知っていることが必要です。
DMを読むのは、経営者なのかと職人なのか、開業間もないのか長年やっているのか、品物を売っているのかサービスを売っているのか、男性か女性か、若いのか高齢なのか、想定していきます。

■顧客への提案は、「お客様の抱えている問題の解決策」と「現状をよりよくする方策」の提案の2種類です。
問題解決策の提案では、お客様が漠然と抱えている問題を明確に示し、その上で解決策を提案します。
現状をよりよくする提案では、お客様は問題は抱えていませんので、物語風に書くことで引き込んでいき、どうよくなるかを具体的にイメージさせます。

 

 

4.既存顧客へ新商品などのセールスが目的の場合

顧客のリスト
お得意様、お馴染みさん(2回以上)、新規さん(1回のみ)に分け、書く内容を変えます。
お得意様は、よりVIP感が感じられる固定化するように、お馴染みさんはもう一回来て定着するように、新規さんは忘れられないようにする目的でDMを出します。

販売する商品の魅力や特典(オファー)
お得意様を中心に考え会員特典を充実させます。
たとえば、購入金額や購入回数に応じてポイントが増える特典、お得意様だけに提供する特別キャンペーンや優待プレゼントなどを設けます。
お得意様には、オリジナルの他では手に入れられないものをつけます。
2回来た人には、良い特典をつけ3回来させるようにします。3回くること定着率がぐっと上がります。

セールスレター
お客様には手書きで書き、挨拶から始め仕事の話をします。
顧客カードをみて、購入済の商品のより良い活用の仕方や意外な使い方などの役立ち情報を提供します。
電話で集客するときも同じで、この前買われた○○の調子はどうですか?などの一声はとても重要になってきます。
その上で、新規顧客の場合と同じように、問題解決や課題解決の方策を提案していきます。

 

 

5.DMの反応が悪い場合、原因は5つ考えられます。

①リストの数が少ない、一度も来たことがないお客様ばかりのリスト
②リストが十分に細分化されていない
③内容がよくない
特典が弱い
会社や商品の紹介などの読み手を引き込まない内容になっている
④出す時期が悪かった
⑤封筒が安っぽい

①リストの数が少ない、一度も来たことがないお客様ばかりのリスト
一度も来たことがないお客様に対しては、いくら頑張っても反応率は上がりません。

②リストが十分に細分化されていない
単に業者から買ってきたリストでは反応が悪いのは当然です。
送り先の情報が少なすぎるので、ターゲットが抱えている問題を鋭く示すことができず提案もぼやけてしまいます。

③内容がよくない
特典が小さい
個人のお客様の場合には、お得意様が好んでいるかなりお得なものを奮発して提供し、
法人のお客様の場合には、商品の実績や事例などDMを真剣に読んでいる方の欲求を満たすものを提供します。

売り込みが強すぎ面白くない
DMは会社や商品の紹介ではありません。
感謝の気持ちを伝えるものであったり、お客様の抱えている問題を解決する案の提供です。
売り込みの匂いがすると、避けられてしまいます。

④出す時期が悪く開けられない
決算時期や季節的に忙しい時期には、DMは見られません。
開封するのは、必要な手紙のみです。

⑤封筒が安っぽいく開けられない
封筒は、小さい会社ほど高級なものにしなければいけません。
また、表や裏に、「クーポン在中」などとは、決して書きません。
字は毛筆で達筆な感じで書きます。

 

 

DMは、一度お店に来たお客様の中でも、特に狙っている人に、ピッタリな提案を具体的にする手紙です。 ですから、商品自体のことはあまり書きません。問題自体と解決案を書くのです。

DMの成否は、リストの質と量が60%、コンテンツが20%、特典が20%です。

 

 

 

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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