女性起業の方法 (コンセプトの作り方)

女性が起業するときのコンセプト作りは、芸能人をプロデュースすることと似ています。お笑いの人でも、自分をプロデュースしていますよね。毒舌で有名な有吉さんが代表的です。それにしてもなぜ、有吉さんはここまで人気なのでしょうか?

1.有吉さんが持っているのはギャップです

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カメラが回っていない時の有吉さんは本当にいい人になります。
番組前にはプレゼントやお菓子の差し入れをし、番組終了後には悪クチをいった女性一人ひとりに謝って回ります。さらに、女性や若手芸人には、番組内での立ち位置など貴重なアドバイスを親身になってするそうなんです。

 

お店でも、ギャップがあると魅力的です。

たとえば、東京の練馬区にある古びた床屋さんなのですが、ギャップを持っています。
古びた昔ながらの床屋さんの前に、古いハーレーの大型バイクがとめてあるんです。
あれっと思って中をのぞいてみると、元サーファーだったぽいカッコイイ若夫婦が、お客さんの髪を切っているのです。

年寄り夫婦が昔馴染みのお客さんとだけ、のんびり仕事をしているのかと思っていたら、、、。
古びた床屋で、ハーレーに乗るサーファーっぽい若夫婦が髪を切っている、、、カッコイイです。

一度は、ここに髪を切りに行かないといけませんね。

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2.3年後、残っているのはたった15%以下

起業にもいろいろあると思います。
FaceBookを超えるSNSを作ろうとしている人もいれば、自分1人が食えれば良いと持っている人もいます。儲けること自体に無性に興奮する人もいれば、社会貢献できなければ意味がないと思っている人もいます。

でも、多くの人は、
お店を開いて繁盛店にしていきたい、
もし、繁盛店にできたら数店舗に増やしていけたらうれしい
自分らしく働きたい
家族が楽しく暮らせて子供を大学に行かせられればいい
と思っているのではないでしょうか。

しかし、それでも、お店を開いて3年後、残っているのはたった15%以下。
8割以上が3年もしないうちに消えていってしまいます。
100店舗起業したら、15店舗も残っていません。飲食店なら、10店舗も残らないでしょう。

起業して、お店や会社を軌道に乗せることは、本当に難しいことなのです。

 

 

3.差別化差別化と言いますが

お店が地域でやっていくには、地域で「他店と異ること・必要とされること」が必要です。

たとえば、
駅前の商店街の八百屋さんなら野菜と果物を置き、駅から10分歩いた古い住宅街の入り口にあるお店ならお年寄りや小さいお子さんのいる家庭へ野菜の配達サービスをしています。
クリーニング店でも、若い方や夫婦の多い地域なら保管サービスやお年寄りや共働きの多い地域なら集配達サービスをしています。

これらのサービスは、他店との差別化になり、お店が地域で生き残っていくのに必要なことです。
しかし、これだけでは、真似をされてしまいかねません。

そこで、「人」がポイントになってきます。

 

起業するとき、1人で始めるか、多くても2,3人でスタートします。
2,3人でスタートするときでも、社長は1人です。

起業したときには、お客様もいません。信用もありません。
持っている経営資産といえば、少しの資金と商品とお店と自分だけです。

しかし、商品も特別なものではありません。
ここだけでしか買えないというものを仕入れたり作ることは難しく、多くの場合、ネットで探せば、もっと安くて良いものが見つかってしまいます。他の商品で間に合わせられるかもしれません。

また、お店作りに掛けられる費用にも制限があります。
感動するような空間を作りたいところですが、その資金はありません。
私も、池袋にお店を出したときには、中古の棚や機器を買ってきたり、壁紙を自分で貼り替えたものです。

 

つまり、起業したとき、他店と大きく違うのは「あなた」ということなのです。

あなたは、世界でたった1人です。
顔が似た人はいるかもしれませんが、性格も仕草もギャグのセンスも違います。
お客様から見たら、「あなたが売っている」「あなたがお店に立っている」ということが新鮮なのではないのでしょうか。

 

 

4.でも、あなたも特別な人ではありません

たった1人ではありますが、モデルのようにすごく魅力的と言うわけでもなく、お笑いのようにしゃべりで他人を引き込めるわけでもありません。世界的なソムリエやシェフというわけでもありません。

レストランでソムリエ調理師をしていた、マッサージ店で働いていた、幼稚園で保母さんをしていた、婦人服店で店員をしていた、不動産事務所で働いていた、、、まじめにやってきて、そこそこのスキルも身につけてきました。

しかし、起業するにはこれだけでは不十分です。

お客様からしたら、今まで安心して行っていたお店のまじめな店員さんが独立したようなものです。
1,2回はご祝儀で来てくれるかもしれませんが、馴染みのお店を切って、あなたのお店に変えるまでには気持ちが向きません。

 

もっともっと、お店の魅力を上げないとなりません。
そのためには、あなた自身の魅力を引き出しUPすることが必要です。

お店の最大の資産は自分自身なのですから。

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起業では、前職のスキルが頼りです。商品として、前職のスキルぐらいのレベルは絶対に必要です。サラリーマンがラーメン屋さんを開くように、全く新しいことにチャレンジするのも良いと思います。しかし、その時には、修行から始めなければなりません。
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5.ギャップが魅力を生み出す

誰にでも良い点はあります。

まじめ、面白い、きれい好き、几帳面、親切、やさしい、チャレンジャー、努力家、センスがいい、声がいい、かわいい、決断力がある、説得力がある、存在感がある、話を聞いてくれる、頭がいい、アイディアマン、友達が多い、機転が利く、まめ、頼りがいがある、、、。

しかし、良い点は、魅力ではありません。場合によっては、悪い点が魅力的に見えることもあります。魅力を作るには、良い点を魅力まで高める必要があります。

人の魅力の原則は、
・基本的に好感をもたれていること
・ギャップがあること
・他人から見て「なりたい理想の人」として憧れであること
です。

1)基本的に好感を持たれる方法
姿勢良く、はきはきと話し、明るい雰囲気で、親しみのある言葉遣いで、清潔感のある身なりをしている。
目を合わせて挨拶をする、返事を大きな声でする。
「ありがとう」といったプラスの一言を添える・
など小さなことの積み重ねです。

2)ギャップを作る方法
まず、自分の第一印象を他人に聞いてみます。
次に、それとは真逆の方向の強みを磨いていきます。
たとえば、一見優しそうに見えるのであれば、逞しい、頼りになる雰囲気を磨いていきます。
筋肉トレーニングでも好いと思います。

3)お客様のなりたい理想の人になる方法
その人の憧れの人になることです。そのためには、その憧れの人を真似ることから始めます。

※ギャップを作る場合、基本的に嫌われていると、たとえ逆方向を作ったとしても、さらに嫌われるだけです。なよなよして嫌いと思われている人が、自分の意見を曲げずに頑張ったとしても、頼れる人とは思われません。ただの頑固と思われてしまいます。基本的に好感を持たれていることが必要です。

 

 

6.ビジネス上での魅力 コンセプトを作ってみる

ここで重要なのは、あくまでもビジネスシーンで魅力をUPすることです。
「ビジネス上での魅力」と「人としての魅力」とでは、少し違います。

お客様から見たビジネス上での魅力を作るには、
・基本的に仕事上で信頼されること
・同業他社はあまりやっていないことをすること
・当人の第1印象とギャップがあること
・ターゲットのお客様が潜在的に以前から欲しかったこと
・お客様から憧れられること
を、バランス良く組み上げていくことが必要です。

1)たとえば、「相談者の話を良く聴く女性の弁護士」の場合、以下のようなコンセプトが作れます。

女性弁護士

背景
35歳 結婚歴なし 独身 法学部卒、大学卒業後就職できず、飲食店で働く。その後、中堅の弁護士事務所に就職。司法試験に合格。弁護士となり中堅の弁護士事務所で働いている。

一般的な弁護士のイメージ
秘密は守る 費用は掛かるが問題を解決してくれる 態度が大きい 専門用語ばかり使う 威厳のある内装の事務所に居る 個人的な悩みは聞いてくれない 相談時間にチャージされて長々とは相談出来ない 合理的で厳しそうな男性が多い

弁護士が基本的に信頼されるために必要なこと
裁判実績が多い 実績を見せてくれる いい事務所を持っている

一般的に弁護士はあまりやっていないと思われること
時間でチャージしない 子供を連れて行っても構わない 柔らかい雰囲気の事務所 話を親身に聞いてくれる 優しそうな態度と服装と話し方 食事をしながら話せる 女性の弁護士 パワーポイントなどを使って説明してくれる 得意分野と苦手分野を教えてくれる 他の弁護士を紹介してくれる

その人の良いところ
女性弁護士であること
柔らかい態度・話し方・雰囲気を持っていること
話を3時間でも忍耐強く聞けること

良いところから考えられるターゲット顧客 
1)中小企業の経営者
2)日頃弁護士に仕事を頼んでいるがやりにくく感じている人
→ 中小企業のスタッフ部門の女性
3)法律の相談はしたいけれども敷居が高く相談しづらく躊躇している人 → 女性全般
4)弁護士に人生相談をしたいと思っている人 → 20~30代前半の自分より若い女性

ギャップ設定例 
・ターゲット顧客を上記の3)と4)とした場合
「女性分野に非常に強い弁護士」←(弁護士+話をよく聞く)→ 「セラピスト」

・相談室が気持ちの良い居間みたい アロマやBGMなど工夫している 話を何時間でも聞いてくれる 専門用語を使わず分かりやすい 個人的な悩みでも聞いてくれる 子供を連れて行っても大丈夫 アベックで相談にいける
・女性特有の問題に詳しく人脈も実績も持っている 服装は弁護士らしい堅い服装 事務所は相談室以外は堅い感じ
・法律相談の他に、低価格で普通の人でも依頼できるような人生相談のメニューがある

憧れ
仕事を一生続けたいと思っている女性から見たら
「自分の腕一本で強くしなやかに生きていく女性」

キャッチフレーズ  「 癒やされる凄腕弁護士 」

以上のようなコンセプトが作れます。

 

2)同様に、「子供を3人子育て中のママさんマッサージ師」の場合には以下のようになります。

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 背景
32歳 既婚 3人の子供あり 母親がマッサージ師であったこともあり、大学卒業後中国で鍼灸を学び、帰国後マッサージ店でマッサージ師として働く。約3000人以上施術し個客に経営者も多い。その後、結婚と共に退職。子供に手が掛からなくなってきたのを機に、自分でお店を出すことを決意する。女性マッサージ師が結婚や出産で退職後復帰しにくい環境を少しでも改善したいと思っている。

一般的なマッサージ師のイメージ
 男性が多い おじさん 寡黙 白い服 30分3000円 駅前にお店 リフレッシュ 狭くて緑の堅いベッド カーテン 隣の声が聞こえる うつぶせ 効果が今ひとつ分からない 説明があまりない 力強い ツボ 痛気持ちいい 殺風景な部屋 BGMなし

マッサージ師が基本的に信頼されるために必要なこと
お店を構えている 施術実績が多い 評判が良い 講演や役所からの依頼の教室などを開催している

一般的にマッサージ師はあまりやっていないと思われること
時間チャージでない 子供を連れて行っても構わない 豪華な雰囲気の部屋 床屋のように楽しく世間話をしてくれる 飲み物が出る 食事が出来る 雑誌が読める 映画が見れる 女性マッサージ師 においが良い 個室防音 美容とセットになっている 医者のように診察をしてくれる カルテがある
                  
その人の良いところ
施術実績が多く多様なスキルをマスターしており腕が良いこと
姑と仲が悪かったり旦那が自分勝手で嫁としては苦労していること
3人の子育て中ママで子供をあやすのがとても上手いこと

良いところから考えられるターゲット顧客
1)経営者
2)マッサージ好きのOL
3)有閑マダム
4)新米ママ

ギャップ設定例
・ターゲット顧客を上記の4)とした場合
「出産後数年のママの体に詳しい医師」←(女性マッサージ師+3人の子育て中ママ)
→ 「子育てアドバイザー」

・子育ての相談にのる
経験に基づく的確なアドバイスができる ママ、妻、嫁としての悩みを聞いてくれる 共感してくれアドバイスもしてくれる 子供を連れて行っても大丈夫
・医者のように出産後数年間の女性の体に詳しい
病院のようにカルテを作って管理してくれる 美容や健康、痩身に関する施術メニューが揃っている 様々な機器が揃っている

・第一印象は白衣を着ていて医者のよう 態度や話し方も少し偉そう
子供好きで子供をあやすのがとても上手い
ベビーマッサージ教室を開いている

憧れ 「社会と縁の切れている孤独で自信のない子育て新米ママ」の憧れの姿

キャッチフレーズ  「 体も心も新米ママの味方マッサージ師 」

 

 

3)また、「仲の良い若い夫婦が開いているイタリアンレストラン」の場合にも、以下のように出来ます。

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背景
35歳の女性で、イタリアンレストランのホールで働いており、ソムリエの資格を取り、日本国内の良いワイナリーをもっと知ってもらいたいと思っている。40歳の男性で、業界なでは有名なレストラン3軒でコックとして修行をしてきた、まじめなコック。この2人が結婚し、自分達のレストランを都内に開店。自分達が「こんなイタリアンが近くにあったら好いな」と思う隠れ家的なお店を作った。子供は居ない。

一般的なイタリアンレストランのイメージ
価格が高め5000~7000円 オシャレ ピザ パスタ トマト 陽気 ワインが美味しい 小さいお店 喧噪感がある 美味しい臭いがたちこめている イタリアンカラーの内装 30~40代のお客で女性が多い

基本的に信頼されるために必要なこと
美味しい 料理を待たせない 予約で混んでいる 清潔感(店内外)がある
内装に高級感がある 高級食材を使ったメニューがある 高級ワインが置いてある
スタッフがソムリエの資格を持っている 服装がしっかりしている

同業他社はあまりやっていないこと
和食が出る 和の雰囲気 作るところが見える 生演奏している 個室がある ゲームや舞台で楽しめる 料理人と話せる 料理を個人的にいろいろ注文できる マイグラスが置ける 食べきれなかったものは持ち帰りができる レシピ教えてくれる 料理教室を開いている ワインの試飲会がある 新作料理試食会がある

その人の良いところ 
夫=寡黙 腕の良い料理人 釣り好き
妻=COOL ソムリエでワインに詳しい 国内ワイナリーを応援している
接客ではお客様と距離を置くほうであること
夫婦仲が良い
イタリア好きでイタリア人の知り合いも居て旅行にも行く

良いところから考えたターゲット顧客
1)近所で気軽にイタリアンを楽しみたいと思っている高収入の人
2)国内ワインに興味を持っている人
3)イタリア旅行の話がしたいと思っているひと
4)女性の方が結婚したいなと思っているアベック
5)倦怠期の中年夫婦
6)子供が出来なくて寂しいDINKS

ギャップ設定例 
・ターゲット顧客を上記の5)と6)とした場合
「馴れ馴れしくない上質なサービスとオーダーメイド料理」←(料理腕良いワイン詳しい+夫婦仲が良い) →「夫婦で楽しく話す機会を提供」

・夫婦で来たお客様が楽しく話すことが出来るように、オーナー夫妻が一緒に行ったイタリア旅行やワイナリーの話題などを上手く振ってくれる。 夫婦で楽しむコツを教えてくれる。 結婚記念日には特別料理を出してくれる。プロポーズした日にはケーキを出してくれる。

・お客様ひとり1人の好みを記録しており、なにも言わなくても好みの料理を出してくれる。 今日は○○な感じのものが食べたいと曖昧な注文にも的確に応えてくれる。 イタリアで流行っている料理が食べられる。

憧れ 「2人で人生を楽しむことにもう一度チャレンジしたいと思っている夫婦」の憧れ

キャッチフレーズ  「 2人が楽しいオーダーメイドイタリアン 」

 

たとえば、立川談志さんなら、古典落語がしっかり出来ている上で、それを壊して新しいものを作ろうとしていたり、愛想が悪い中に優しく子供ぽい仕草が垣間見られます。爆笑問題の太田さんなら、はちゃめちゃな子供のような言動の中に、知性的な側面が垣間見られたりします。しかし、「毒舌なのに実は好い人」というギャップでは、有吉さんが一番です。このギャップが彼を人気NO1にしていると思います。また、コンセプト作りで最も重要なのが、ターゲット顧客の決定です。

有吉さんの場合は、どのような人をターゲットとしているのでしょうか?
多分、「周りの空気を読んでしまい、言いたいことが言えないでいる人」ではないでしょうか。「30代の希望の星」という人もいます。

上手く、マーケットをとらえていますね。

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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