注文が増えるメニューの作り方

 

メニューは、店員さんです。感じの良い店員さんには、つい、「今日のおススメは?」「これって美味しんですか?」と聞いてしまい、おススメを頼んでしまいます。良いメニューも同じです。見ているだけで楽しく、ついつい、おススメと書いてある料理を頼んでしまいます。

 

メニューを作るとき、
・構成 メインの商品を大きく載せる
・写真 写真でシズル感(おしそう~)を出す
・ネーミング フワフワ、とろ~り などの感触を表す言葉を使ってシズル感を演出させたネーミングにする
・キャッチコピー 店長の一押し、今週のおススメなどと明記して強調する
を行います。

・そして、メニューは、邪魔にならない限りお客様に渡しておき、お客様がいつでも見れるようにしておきます。

 

 

■お店には、「商品やお店の雰囲気」で売っているお店と「ひと」で売っているお店があります。(※近くにあるから、安いからというのはぬかします。)

「商品やお店の雰囲気」で売っているお店は、メニュー作りが重要です。
「ひと」で売っているお店では、極端な話、メニューは関係ありません。

「商品やお店の雰囲気」で売っているお店では、どんな時、どんな気分の時にこのお店に来て何を食べればいいのかということが明確に伝わっていなけれ

ばなりません。
お店がお客様に相談もなく勝手にメニューを増やしても、お客様には、それをどんな時、どんな気分の時に食べればいいのかということがわかりません。
「こんなとき、こんな気分のときに、これをどうぞ!」ということがあってこそ、お客様は新メニューを注文できるのです。

「ひと」で売っているお店では、店長に合いに来るお客さんが多く、「店長が作るものなら何でもおいしいや」といった感覚です。
ですから、お客様に頼まれ材料があれば、なんでも作るという小さなお店が少なくありません。
これはこれで、お得意様ががっちりついている不況に強いお店になっています。

 

 

もし、「商品やお店の雰囲気」で売って行こうと思っているのなら、下記のことを気に留めてみてください。

1.メニューは店員さんの代わりです

「何が美味しいの? オススメは?」
「もし、この料理にするんだったらお酒は? ワインならこれ?」
「3人で来ているんだけど、一緒に頼めるものってあるの?」

そんなお客様の「?」に、的確に答えるのがメニューです。
そのためには、お客様が席に座ってメニューを開いた時に、どのような「?」を持っているのかを知っておく必要があります。
一般的におもう「?」もありますが、お店特有の「?」もあります。

また、良いメニューはおすすめ上手です。

「ランチと一緒に飲み物なら100円でとってもお得!」
「アラカルトも良いけど、コースも捨てたものではありません。そしてとってもお得なんです。」
「も、肉をガッツり食べたいなら、これしかありません!」
「〆にこれは欠かせません」

店員さんがおススメすると少し押しつけがましくなりますよね。
メニューならそんなことはありません。良いメニューは、できる店員さんです。

 

 

2.メニューはお店からの強力なメッセージなのです

お客様は、料理やお酒の種類、それに価格がいくらかということをもとに、このお店はこういうときに使えると分類します。
接待に使うならここ、一人でホッとしたいならここ、同僚と愚痴を言いに行くならここ、家族と週末に行くならここという風に。

メニューの数、価格ライン(商品をグレード分けして値段をつけること ネクタイなら1000円シリーズ、3000円シリーズ、5000円シリーズとわけるようなこと)、価格の幅(EX 300円~1000円)をすっきり明確にするのです。
これによって、「うちはこういうときに使っていただくといいんですよ。」ということを伝えようとしているわけです。

これをしないと、お客様はこのお店をどう使ったらいいのかわからないので、ついつい敬遠してしまいます。

・メニューが絞り込んであって
・価格の幅が狭くて
・価格ラインが少ない
ということが、メッセージをはっきりさせている繁盛店のメニューです。

 

 

3.メニューは自然と増えていくもので、増えるほどお店のアピールが弱くなっていきます

メニューを増やすといろいろなお客様が来てくれて、売上が伸びるような気がします。
もし、地域にあなたのお店しかなければ、お客様は増えます。
田舎の雑貨屋さんがそうですね。。。

しかし、お店は多すぎるほどあります。
お店が多ければ、より良いものを買いたいと思ったら、専門店に行くべきです。
包丁を買いたい場合、金物屋さんよりも包丁専門店の方が良いものが買えます。
美味しいピザを食べたいと思ったら、ファミレスではなくピザ屋さんに行くべきです。

繁盛店は、売りの逸品(一品)の質を、絶えず上げ続けています。
味は変えずに、商品の質を上げ続けているのです。
材料をよりいいものへ、作り方、こね方や発酵時間など、あらゆることで、より美味しいものを作ろうと努力しています。
マニアの世界ですね。
この努力をして、はじめてお客が、「いつも変わらない味で大好きです」と言ってくれるのです。

お店の商品は、「売れ筋商品」「店が売りたい商品」「魅せ筋商品」に分けられます。
この3つの商品をいくつずつにするか決めることで、商品の数を一定に保つことができます。

 

 

4.商品は「売れ筋商品」「店が売りたい商品」「魅せ筋商品」「その他」の4つです

4つの商品の比率は、だいたい 2:3:1:4 です。
この比率で品揃えをしていくと、品揃えの良さを感じさせながら売れない商品を減らしていくことができます。

①売れ筋商品とは、
定番商品のことで、ほっといても売れる商品です。
スーパーならパスタやまとめて売り商品、サイゼリヤならミラノ風ドリア、酒屋なら生ビール。
セールに使うのに良い商品です。

②店が売りたい商品とは、
店長の一押し商品です。スーパーならちょっと贅沢なパスタ、サイゼリヤならイタリア産のハム、酒屋なら大吟醸酒。
POPを付け、売れ筋商品と組み合わせて売る、ちょっと頑張って売る商品です。

③魅せ筋商品とは、
お客様にさすが~と思わせる商品、それを頼む人は通ーだねと思わせる商品です。
スーパーなら、バジルソースなどの少し通な商品、サイゼリヤならイカの墨入りスパゲッティ、酒屋なら古酒。
売れなくても構いません。「ほ~」と言っていただければ十分です。

 

 

5.メニューを絞り込むには核商品が必要

メニューを絞り込むことは大切ですが、それには、核になる商品が必要です。
サイゼリヤなら、創業時代からお店を支えてきたミラノ風ドリア(299円)です。

もし、これだ!という商品がなければ、年間通して安定的に売れている商品を見つけてください。
売上金額ではなく、販売個数が高いものが良いと思います。

もし、それもなければ、看板商品を作りましょう!

 

6.核になる商品は老舗の看板商品を半額にしたもの

「商品力=品質が良いこと × 他のお店には置いてないこと × お得感があること」です。

他のお店に置いていないものを考えようとしても、難しいものがあります。
変なアイディア料理は出せません。

・そこで、質がよく独自性を確立している老舗・専門店の看板メニューを真似します。
「胡麻油の風味と軽い歯ごたえの三定のかき揚げ 中かき揚げ:2,310円
「アサリのむき身がたっぷりの更科堀井の深川蕎麦 深川そば:1,570円

・また、お得感を出すために、価格を半額にします。
もちろん、質や味は落としません。

老舗の看板料理を半額で出すのです。これが、私たちのお店の看板料理です。

無理かも知れません。でも、工夫すればきっとできます。
味と質だけに絞り込んで無駄を削って行けば、きっとできます。
できたら、かなり売れます!!!

 

 

7.サブアイテムで利益率を上げる

サブアイテムとは、つい注文してしまう商品のことを言います。
餃子の王将の餃子、サイゼリヤのサラダやフォッカチオ、マクドナルドのフライドポテト、牛丼屋の卵、居酒屋のもろきゅう、、、。
CoCo壱番屋のトッピングもそうです。

注文しやすい価格、クセになる味。
これらを徹底的に追求て良いサブアイテムを作ったお店には常連が増えます。

良いサブアイテムがあると、お得意様が増え、客単価が上がり、粗利益が上がります。

メインの料理で引きつけ、サブの料理で定着させる。
そんな流れがあります。
サブの料理は、目立ちませんが、お客様を増やし利益率を上げる縁の下の力持ちなのです。

 

 

8.もう一つ高いものを買っていただく方法

日本人は、十中下、松竹梅、3段階が好きです。
なぜかというと、普通が好きだからです。普通でいると安心できます。

メニューも三段階にします。
コース料理を設定するときにも、2コースではなく、3コース用意します。
2コースでは安い方に人気が出るのですが、3コースにすると真中に人気が出ます。
3000円と5000円のコースでは3000円が売れますが、これに7000円のコースを加えると5000円を選ぶ人が増えます。

 

選んでいるだけでも楽しいメニューってありませんか?
見ているだけでわぅわくするようなメニューに出会ったことはありますか?

お客様にとって「商品を選ぶ」とは、これからどのような体験ができるのかを予感させるものです。

実は、商品選びが楽しさが、お店の評判を決めているんです。

 

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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