小さいお店のプレスリリース戦略

 

いきなり「おとなの週末」や「日経新聞」にプレスリリースしてもなかなか掲載されません。地元のメディアから順に全国版へステップアップしていくのが現実的な方法です。また、単に、商品やお店が掲載されれば繁盛するというわけではありません。お店の姿勢が読者に伝わってこそ、繁盛店に成長していきます。

 

1.基本的なこと

①編集者は、面白いプレスリリースを待っています。
大企業の商品の情報は欠かせませんが、他の多くのメディアで発表されることや、パターンが出来上がっているため面白みはありません。
一方、商品と広報の方針や雰囲気が合っていれば、小さなお店の手作りで工夫が感じられるプレスリリースの方が興味を引きます。

②お店で売っている商品や商売に対する姿勢がしっかりしていることが、とても大切です。
※リリースの形式が整っていなくても、手書きでも、ウェブサイトの作りが大したことがなくても構いません。

③また、業界紙なら業界の他社の人が喜ぶような情報を提供し、ケーブルテレビなら地元の視聴者(奥さん)が喜ぶ情報を提供します
記者や番組制作者は、常に、読者や視聴者が、いま何を求めているのか、あるいは読・視聴者にいま何が必要なのかを考えながら、取材や番組の制作をしています。そこで、彼らが求めている情報を提供するわけです。
求めている情報は、特集や記事を見ていくと分かります。
たとえば、
・新しいお店のことも、読者が知りたがっていることの一つ。特に、隠れ家みたいな目立たないお店であれば、なおさらです。
・子ども連れ向けのサービスをしているお店も少ないので、そういった、赤ちゃんや幼稚園児を連れていけるお店の情報も、ママさん読者は求めています。

 

 

2.編集者がチェックしていること

①お店や商品が雑誌の企画と合うかどうか

②身元確認、情報の信憑性やウラをとります。
リリースとウェブサイトを見て、実店舗があるか、商売を続けてきているか、これからも商売をしていくかどうかなどを探り出す。

③スケジュールが一致するかチェック
雑誌の場合、月刊誌なら発売日から3ヶ月以上前から依頼しておかないと掲載できません。

④商売に対する姿勢がしっかりしていることを確かめる
電話をしてみてお店の人と話しをする。
お店にお客さんの顔をしてチェックしに行く。
お店のテーマがしっかりしている。
お店のテーマを語れる人がいる。

 

 

3.1回掲載で終わらせてしまっては売上につながらない

※編集部と付き合って関係を築くという姿勢で情報を持ち込むことが欠かせません。

①雑誌など媒体のことを知ってくれていると編集者や記者はすごくうれしい
どんな読者層をターゲットにして、何日発売で、いくらで、巻頭の特集はこんな感じで、連載はこういう企画で……
などをわかったうえで情報を持ち込んでくれると、雑誌の企画内容にからめやすいし、誌面になってもしっくり行くケースが多い。

②広告について検討しつつ編集部と付き合う
出版社は広告も収益の柱ですから、「広告を出すことを前提に」という持ち込みかたなら話を聞いてくれる。
広告を出すことをきっかけに、編集部と信頼関係を維持している会社も多いです。
(専門誌の広告費は安い。サッカーの専門誌なら、3分の1枠15万円、1ページでも50万。)

取材に行って、「お金がないから広告より記事で出してほしい」などと言われると、「利用するつもりかな」と、がっくりきます。」
記者にケチな考えを見せると応援してもらえないし、せっかくの取材も次につながりません。

ミニFM局や地方新聞なども広告費用は安い。
実店舗がある場合、地域のマスコミとの関係を築いて、ネットにそれを掲載すると、全国からの注目度も高まります。

 

 

4.まず、なんとか見てもらうために絶対しなければいけないこと

②編集者の目を引く商品のコピー、タイトルを作成する
掲載の成否を分ける生命線です。
メールで送る場合は、特に件名に注意、件名だけで開くか開かないかを決めます。

※大手新聞記者のところには、1日にプレスリリースが百枚以上送られてくる。
そのため、目を通すのは一枚につき15秒のみ。
はじめの5行で要点のわからないプレスリリースは 即ゴミ箱行きです。

③「過去にこういう雑誌にも掲載されました」という掲載実績を載せる

 

 

 

5.媒体別広報してもらう難易度

難易度1:1~数回出せば取り上げてもらえる 難易度2:その媒体に合った掲載依頼を書けば大丈夫 難易度3:掲載実績がある程度ないと難しい

難易度1
WEBでリリースサイトを使ってリリースを流すのは自由です
10社までなら無料でできるサイトがありますが、ニュースに載っても見る人はいません。
今まで、SEO効果を期待していた掲載していましたが、googleのアルゴリズムの変更により効果は不明です。
4万円出せば、数百社に送りサービスがあります。
また、新規に出店する飲食店専門 のプレスリリースサイトPR.COM(http://www.inshokutenpr.com/ 株式会社シンクロ・フードというものもあります。

 

難易度1 地元ケーブルテレビなら比較的簡単に取材に来てくれます
お店紹介のコーナーもあるし、取材申し込みのフォームもある。
(新規開店は、時間を見られる)
効果は限定ですが、メディアに取り上げられた実績にはなります。
より、大きなメディアへの第一歩としては、意味が大きいと思います。

 

難易度1 コミュニティFM局もネタを探しています
地元のお店紹介 リスナーへのプレゼントを入れ込むと取り上げてくれる確率が高まります。
CMの依頼をされることも少なくありません。HPにCM料金表がアップされていることがありますので、チェックしておきます。
広告出稿料金はそう高くなく、局のひとも相談に乗ってくれることが多いので、素直に相談してみるのが良いと思います。
また、局のHPに通販ページが設けられていることもありますので、掲載していただけるメリットもあります。

 

難易度1 地元雑誌、タウン誌も取材先を先を探しています
商工会議所からの紹介で取材依頼がくることもけっこうあります。
会議所の担当者に、取材してもらいと思っていることを話しておくことも良いかもしれません。
FM局と同じように、「読者へのプレゼントのコーナー」であれば比較的簡単に掲載してもらえます。
やはり、広告の話を持ち出されることが多いです。広告費3万円程度です。
ラジオとリンクしていることもあります。

 

難易度2 地元新聞の取材は考えられる
リリースの内容が、新聞と合っているかが問われてきます。※この段階から、内容に社会性が求められてきます。
地元向けの報道としての役目があるので、きちんと新聞を読んだうえで地元新聞向けのプレスリリースを書くことが必要です。
経済のページは多いように思います。
地方版には、ローカルチェーンの飲食店が新しい業態の店舗をオープンするとか、地元の食品メーカーが新商品を発売したとか、地元のホテルがスイーツを新発売とか、セミナーのお知らせ(参加者募集)なんかが載っていることもあります。

 

難易度3 全国誌の雑誌に掲載していただく
自店のお客様層と読者が同じような雑誌と、その雑誌のライバル雑誌も選びます。
また、たとえば、直接関係ないテーマの雑誌(飲食店にとっての旅行や習い事の雑誌)でも、特集がありますので、読者層が同じなら選んでおきます。
なかなか掲載していただけませんが、「読者へのプレゼントのコーナー」への企画を持ち込めば、比較的掲載してもらえます。
※地元で商売をしている場合、全国雑誌に載っても、一時的にお客様が増えるだけでお得意様は増えません。

 

難易度3 大手新聞のローカルページに掲載してもらう
ある程度メディアに取り上げられた実績が必要です。
同じフォーマットで何回も出していき、他のメディアに掲載される都度実績表を増やし、添付し直していきます。根気が必要です。

新聞社への送り先の部署は、リリースの内容によって変わります。
新商品の開発や起業のニュースなら経済部の記者、受験情報や保育は家庭面の記者、高齢者が社会性の高い新規事業をはじめたというニュースなら社会部の記者宛となります。

 

 

6.リリースに入れる内容

①地域の利益に結びついていることがベース
この内容をどうして記事に取り上げる必要があるのかということをその資料の中に盛り込む
Ex 〇〇に困っている人が多いので、そのような人を少なくするため
※この内容をどうして記事に取り上げる必要があるのかに答えられないのであれば、違うテーマを考える必要がある

②新規性
小さなお店の場合、いままでにない新しさが必要です。
全く新しいというものはありませんので、ちょっと工夫した、他業種のやっていることを取り入れたでも、取り上げていただける可能性があります。

たとえば、イタリアンレストランが「高齢者のための健康で長生きするお肉料理の作り方」という冊子を出しても新しいと思います。

③意外性
歯科医院に対して持っているイメージとは異なることを行うことによってマスコミに取り上げられる可能性が高くなるのです。
そのような取り組みを院内で行うことがとても大切です。

実際に、これまでに取り上げられたケースで申し上げると、以前に本誌の連載でもお伝えした 「トリートメントコーディネーター」などは実際に導入している歯科医院がまだ極僅かですので、話題性もあり、取り上げられやすい環境です。
その他にも、子供向けのイベントを院内で開催することもマスコミに取り上げられやすいことです。
そのようなマスコミに取り上げられやすいネタ作りをすることがとても大切になります。

④雑誌やテレビの〇〇特集 などのためのネタの提供
※過去の特集を調べ、自店と合っているテーマをいくつか見つけ出し、テーマのキーワードをリリースに入れておく
(裏通りにある 目立たない 隠れ家的 夫婦でやっている 安い 仕事帰り、、、)

■たとえば、「地元で人気の〇〇ラーメンを紹介」でも取り上げられる時がある
・いかに人気があってみんなが食べているのかを数字で示す 〇年間で〇〇杯も!
・お客様の声や店内の活気のある様子などを書く
・人気ラーメンの説明(材料や作り方やストーリー)
・日頃からリリースを送り続けている 「女性限定のラーメン」や「超大盛りメニュー」などのプレスリリースを月1本のペースでテレビ局に送っている。
結果 DMとテレビ番組での紹介という相乗効果で、休みの日には行列ができるようになり、行列は次第に長くなっていった。

⑤紹介して大丈夫なお店だということを証明する
・だいたいの人が美味しいと評価しているお店であれば安心できる=過去に取り上げられているお店なら大丈夫だろうと思う
・長い間やってきている 年数
・〇〇の理事をしています=社会的な信用がある

 

※大手メディアで取り上げてもらうための必要なこと
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⑥社会的な問題を解決するために作ったことをアピールする
⑦お店の宣伝はせず、問題の解決の仕方についてのみ書く
⑧問題解決への取り組み姿勢がつよいことをアピールする
他に問題の解決のためにしていることなどを紹介していきます。

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7.リリースの書き方

※手書きでフォーマットが崩れていても構いません。商品と広報の方針・雰囲気が合っていること、工夫やしっかりした姿勢が感じられることが大切です。

※A4用紙一枚に、簡潔に内容をまとめます。編集者や記者は、超多忙な業務をこなしており、15秒しか見れません。

①報道用資料A4用紙の左上に、「報道用資料」と明記する
これが書いてあると、たまたまFAXをとった事務の方でも、プレスリリースだという事が一目で分かり担当部署に回していただけます。

②右上にプレスリリースした日にちを入れる
編集者や記者は忙しいので、まあまあだなと思ったものは後で見ようと思い、机の書類の山の中に置きっぱなしにします。
あとで見るときにも、日付があると気にして先に見てくれることがあります。

②キャッチコピーを書く
簡潔に、わかりやすく、具体的で、短文、直感的に理解でき、編集者の目を引くキャッチコピー

④リード文を入れる
2~3行で、本文に何が書かれているのかという事を興味深く端的に書きます。

⑤写真を載せる
プレスリリースする題材の証拠写真です。必ず載せます。反応が全然違ってきます。

③本文を書く
内容と、このことが読者や視聴者にどのような良いことをもたらすのかを、わかりやすく書きます。
イベントの実施であれば、開催日時や場所なども明記します。

④最後に連絡先と連絡方法の欄を加える
「取材担当者様へ」という枠を作り、連絡先と連絡方法を明記します。
Ex ・この件についてのお問い合わせは、電話番号×××、担当〇〇までご連絡ください。
・この件についてのお問い合わせは、×××にお電話いただければ、担当の〇〇が電話に出ます。

 

 

8.プレスリリース文書の配信先や連絡先の見つけ方

①掲載してもらいたいメディアを選びだします
リリースを送るのはどこでもいいわけではなく、内容に合った媒体とページでないといけません。

地元ケーブルテレビ、コミュニティFM局、地元雑誌やタウン誌、地元新聞、全国誌の雑誌、大手新聞のローカルページなどから選び出し、また、掲載してもらいたいページがハッキリできるのであれば、それも選んでおきます。
記録しておくのは、媒体名・社名・編集部電話番号(なければ代表番号)です。

②プレスリリースはFAXで送るのが一般的です
(地元ケーブルテレビ、コミュニティFM局、地元雑誌やタウン誌、地元新聞には、サンプルと一緒に持参しても良いかもしれません。)
また、FAXは直接担当部署のFAXに送らないとなりません。

そこで、出版社の電話番号を調べて電話をし、担当部署とそのFAX番号を直接教えていただきます。
「プレスリリースを、〇〇という雑誌(新聞の場合〇〇欄)の担当者の方に送りたいので、担当部署のFAX番号とできれば担当者を教えていただけないでしょうか」と伝えます。
担当者までは教えていただけないことがありますので、その場合には、しつこくは聞かないようにします。

 

 

9.プレスリリースを送ったら、翌日にフォローの電話を入れます

「FAX届きましたか?」「見ていただけたでしょうか?」と聞いてみます。
「まだ読んでいない」といわれる場合も多いと思いますが、担当の記者が電話に出てくれてた場合には、簡単に説明するだけでもリリースを読んでもらえる確率は上がるのです。

読んでいただけた場合には、掲載してもらえそうか聞いてみます。
もし掲載がダメそうであれば、「今後の参考にしたいので」と言って理由を聞いてみます。
お礼を言って、電話を切ります。

 

 

広報は、商品を売るために使ってはもったいないと思います。確かに、掲載されれば一時的に売上は伸びます。しかし、広報であれば、多くのお客様に、「あのお店で買いたい」と思っていただけるようになることもできるのです。地元のメディアであれば、社会性が低くても掲載してくれます。しかし、地元のメディアでこそ、地域へ貢献する姿勢を身近な視点で取材していただくことで、本当のブランディン、本当のお得意様を増やして繁盛店になることができるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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工藤 英一

About 工藤 英一

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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