お店に高級感を演出する方法

 H&M、Forever 21、ユニクロ(銀座店)どこも安いのに高級感があります。お店に高級感があるのに、商品は安い。すごくお得感があるということです。高級感とは、お店自体と商品の展示の仕方、接客の3つで演出されるものです。

100円ローソンの100円の生クリームと成城石井に置いてある100円の生クリーム、、、どちらが高級でどちらがお得ですか?高級感とは、五感が作り出すものです。

 

■費用をかけずに内装で高級感を演出する

ビンテージ風の内装、フェミニン、ドレッシーなアイテム、シャンデリア、重厚なテーブル、オシャレなラック、花柄のファブリックを使用した壁やストライプの壁紙、吹き抜け、内装にお金をかければきりがありません。

しかし、高級感を本当に感じる空間を創るためには、本物の価値ある素材を使うことが欠かせません。本物は質感がまったく違います。どんなに似せたものでも、なんとなくわかってしまうのがお客様です。

お金が多少ある場合には、床と壁を本物にします。
たとえば、床には無垢フローリングを使い、壁には珪藻土などの自然な漆喰系の材料を使用します。
あとは、安く済ませます。 100円ショップで買えるお椀とお箸を壁一面にきれいに並べただけでも、高級感が出ます。

さらに、費用を圧縮する場合には、一部だけ本物に素材にします。

エントランスから席に座って変えるまでの間で、お客様の目が行くところを本物の素材にします。
たとえば、床でも、エントランスの一部にだけ本物の大理石にします(数万円です)。
座っているときは、あまり床や天井など見ませんので、壁が中心となります。しかし、壁も装飾しているところはフェイクの素材でも大丈夫です。

 

 

■ライティングで高級感を演出する

お店には、様々なライトがありますが、スポットライトで商品を高く見せることができます。
他の商品から少し離しそこにスポットライトをあて、浮きだたせます。
それによって、高そうだな~と見せることができます。

ライトの色は、黄色っぽくします。白色は、安っぽくしてしまいます。
高級感を簡単に演出したければ、照明を暗くし、スポットライトを黄色っぽくすれば上手くいきます。照明が明るいと、いくら店作りをしても安っぽく見えてしまいます。

また、商品に合わせて照明の色温度を変えることで、商品をより魅力的にみせることができます。
たとえば、シルバーなら5000K ゴールドなら3000Kです。

さらに、小さな点光源から照らすことで、きらめきやつやを出すことができます。
狭角のダウンライトやスポットライトをつかいますが、最近ではLEDが好ましいです。 LEDは、発熱が少ないのでショーケースの中に設置でき、寿命も長くて便利です。宝石などの展示に使いますが、他の商品でも、つやを出すのにとても効果的です。

室内の照明は、イメージに合わせて設定していきます。
全体に明るい空間だと、お客様は活発になり、暗い空間だとリラックスします。床を明るくすると天井が暗く感じます。そのため、非日常性が強くなり高級感が高まります。また、床と壁を明るくすると、全体に重厚感がでてきます。

 

 

■入口の演出で高級感を演出する

入口の演出は、入口のシックな感じと一歩部屋に入ったときの華やかな感じのギャップです。

東京の麹町の人気イタリアンレストランでは、小さな木のイタリアの家を感じさせるドアがあます。外から見ていると、本当に流行っているのか大丈夫かな?と思うぐらいの静かな感じです。
そのドアを入ると、小さなロビーになっておりレジがあり、二人の女性が挨拶してくれます。その奥には5段の低い階段があり、そこを上がると一気にイタリアのレストランへ入ってしまいます。食事をする大きめのフロアーが広がっており、お客さんたちの賑やかな笑い声や甲斐甲斐しく世話をしているイタリア人の店員さんが、いっぺんに耳や目に飛び込んで来るのです。

たった5段だけでも大きな差があります。
入口の雰囲気からは、想像できない世界が広がっています。

 

 

■外からの見えないようにして高級感を演出する

お店も、外から店内が見えないお店は高級で、見せるお店は家族で安心して入れるお店です。

高級お菓子は、豪華なケースに入って陳列されています。
ケースだけでも、すごく高そうです。しかし、もっと高いお菓子は、木箱や焼き物に入っていて、中が見えません。見えない方が高級なのです。

 

 

■展示とパッケージで高級感を演出する

展示は、商品の周りに十分スペースを持たせ、ゆったりとしたスペースに陳列させます。黒と高級感のあるシックな雰囲気で統一し、棚や什器につめこみすぎず、間をとることが大切です。

銀座のデルレイというベルギーのチョコレート店では、チョコレートを宝石のように展示することで、ものすごく高級な商品にしあげています。

お店は、銀座にあり、まるで高級ジュエリー店のようです。プラチナカラーの落ち着いた店内には、宝石の展示ケースと同じケースが置かれており、チョコレートが1種類1個ずつ、宝石と同じにディスプレイされています。
お客様は、宝石店のような豪華な雰囲気のなかで、最高級のチョコをじっくり選ぶことになります。
チョコレートを1~2個買うために来店し、時間をかけて選んで行くのです。(本当に食べるのでしょうか?同様なコンセプトのお店で、ドアマンまで置いているところもあるそうです)。

 

また、展示の位置を高くするのも方法の一つです。
H&Mなどでは、マネキンが高い位置に置いてあり、見上げるカタチにしています。

パッケージによって高級感を出すこともできます。
パッケージを細部にまでこだわって作りこんでいくと、高そうに見えてきます。
カレーのルーでも、黒の地に『ZEPPINN』のゴールドで縁取った格調高いデザインのロゴで、いかにも『高級そう』な感じなっています。
カレーの写真も、いかにも煮込んだという濃厚な重さとツヤがあり、高級で美味しそうです。

 

 

■展示するときの組み合わせで高級感を演出する

高くないものに高級感を出すには、服であれば、商品そのものを見せるのではなく、あくまでもその商品を着ている自分、その商品を使っている自分をイメージさせます。

高級なアクセサリーとトータルコーディネートで見せることで、商品そのものまでが高級に見えてきます。
高級輸入住宅でも同じです。クラシックインテリアで内装を作り上げて見せることで、家自体にも高級感が出てきます。
安い分譲マンションを、ちょっと高級に見せるのも同じです。キッチンを色も統一した最新のものにし、テレビは50インチ以上にし、最新のマッサージチェアーを置いておくと、高級マンションに変わります。

 

 

■色で高級感を演出する

黒は、高級感の基礎になります。
黒には、高級感や重厚感、玄人っぽい、威厳、高品質などを感じさせるため、高級化粧品コーナーや高級スーパーで好んで使われています。

フランスの大手化粧品チェーン店「セフォラ(Sephora)」は、黒の活用で画期的な売り場を作り、アメリカの西海岸の高級スーパーマーケットDreger’s (ドレイガーズ)は、床に黒と白のタイルを使って高級感を出しています。
和モダンの場合には、黒い玉砂利が高級感を演出しています。

また、黒には、見た目より小さく見せるという効果もあります。
囲碁に使われる白い石と黒い石は、黒の石が少し大きくしてあります。大きく見える白い石と小さく見える黒い石では、同じ大きさにしてしまうとバランスが取れなくなるので、黒の石を少し大きくしてあります。

さらに、黒は重みを感じさせる色でもあります。
同じ重さの荷物でも、黒い袋に入った荷物は、白い袋に入った荷物よりも1.5倍にも重く感じるという実験結果も出ています。
やせて見せたいなら、明るい色を選んだほうが良いです。

黒をベースに、コントラストの効いた色を組み合わせることで高級さ演出できます。
黒にアイボリーや赤を使うことで、黒のマイナスのイメージの部分を減らしながら高級感が出せます。

 

 

■音楽で高級感を演出する

H&Mなどは、音楽のボリュームが大きくまるでクラブにいるみたいで、あまり考えずに買ってしまいます。

スーパーマーケットでは、アップテンポに比ベスローテンポの音楽が流すと、お客様の歩く速度が17%遅くなり、買う金額が38%も増えることが報告されています。
また、レストランでも同じで、スローテンポのBGMを流すと、アルコールの注文が多くなり、お店にいる時間が長くなります。
クラシック音楽を流すと、お客様が高級なワインを選ぶようになることもわかっています。
さらに、時間帯によっても音楽の影響が変わってくることや、ボリュームの大きさによって、お客様の声の大きさも変わってくることもわかっています。

音楽の影響は、想像以上に大きいものなのです。

 

もちろん、お客様は音楽を聴きにお店にやってくるのではありません。
お客様はBGMを意識して聞いているわけではありません。無意識に聞いています。
しかし、BGMによって、「なんとなくいい雰囲気」とか「落ち着きがあっていいね」と、お客様のお店に対する感想や行動が変わります。

これは、とても怖いことでもあり、良いことでもあります。
意識しないで、自然とお店に高級感を感じていただくことが可能だということです。

 

しかし、どのような曲を、いつ、どのくらいのボリュームで流すのが良いのでしょうか?
お客様はBGMを無意識に聞いていますから、お客様に聞いても当てになりません。
ここが、BGMの怖いところです。

あるイタリアンレストランでは、昼はクラシックやイージーリスニングで明るく華やな演出をし、夜はジャズを中心に落ち着いた空間を演出しています。
また、BGMの音量を小さめに設定すると自然とお客様の声も小さくなることを利用して、より上質な場を作っています。

ジャズを流しているお店が多いのはなぜでしょうか。
J-POPが流れていると、ここは若い人の店で、安くてそこそこのレベルといった先入観を抱きます。
クラシックだと、高級で敷居が高くてきちんとしないといけないといった印象うけます。
ジャズでは、近代的な高級感といった印象を受けます。ジャズに対しては、「高級感」「大人」「センスが良い」というイメージを持つ人が多く、クラシックよりは固くありません。

 

高級感を演出するためには、ローテンポで、ジャズかクラシックということになります。

たとえば、
・昼はクラシック寄りのジャズで普通のテンポの曲を流し、夜はジャズ寄りのクラシックでローテンポの曲を流します。
・ボリュームは、お客様の数や会話の声に合わせて変え、小さな声に誘導したいときは、一旦ボリュームを上げてから徐々に下げていくようにします。
とすれば、普通のお店よりも高級感を演出できるのではないでしょうか。

選曲は、ジャズに近いクラシックやポップに近いクラシックを中心に行います。
ジャズに近いクラシックといえば、ガーシュインやカプースチンを思い出します。
ポップに近いクラシックといえば、クラシカル・クロスオーバーです。サラ・ブライトマンとアンドレア・ボチェッリのデュエット「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」はこの分野の代表曲です。
また、フランスのジャズ歌手、クレモンティーヌの曲もおしゃれな高級感があって良いです。

 

 

高級感を演出するとき最初に内装に手を付けますが、内装は最後で良いと思います。できるところから商品の展示数を減らし、照明を変え、BGMを慎重に選んで常に調節し、さらに部分的に黒色を使っていくことで十分です。また、高級品と組み合わせて展示することで、高級感が確実にUPします。

しかし、高級感の演出に魂を入れるのは、接客です。スタッフ全員で照明やBGMを変えていくことで、本当の高級感が出てきます。

そして、続けていけば、やがてブランドになり、ブランドはずっとお店を支えてくれます。

 


工藤 英一

About 工藤 英一

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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