お店を移転しなければならない時の対策

 

移転するということは、お客様と競合店が変わるということです。そのため、新規出店とあまり変わりません。競争力を維持するというよりも、新たなマーケットを開拓するつもりで取り組むことが必要です。

 

周辺のお客様に自店を知らせるのにこのようないい機会はないので、移転OPENセールを行います。商店の最大の競合店はスーパーとコンビニエンスストアーです。品揃えがよく、安く、長時間開いており、一人住まいの高齢者の方に合った品揃えもしてきています。商品を売っているだけでは太刀打ちできません。

 

1.路面の肉屋さんや果物屋さん、魚屋さん、惣菜店、パン屋さん、お菓子屋さんなどの商店の強み

路面店の強みは対面販売といいますが、対面販売というよりも、
①「お客様との間に遮るものがないこと」
②「オーナー自身が接客していること」
が強みです。

 

 

2.お客様との間に遮るものがないこと

①いちいちお店の人と話すのが面倒というお客様もいますが、話せることが最大のメリットです。

今日のオススメを紹介したり、料理にあわせたお肉の種類をアドバイス 美味しい食べ方を教えたり、出来立てを試食させたり、ときどきおまけしたりやり取りがなんでもできます。また、お客様のわがままにその場でどんどん対応していきます。

・料理にあわせてお肉をカットします(鶏肉をチキンライス用に小さく、煮物用に、レバをレバニラ炒め用に・・・切りにくいお肉もプロがその場でカットします)

・量り売りによる無駄のない買物、お客様の目の前で必要な量を包みます。見て多いと思った時はへらせます、又はふやせます。本当に必要な量だけお買い求めください。

・相談しながら、好きな惣菜を好きなだけ取ったり、好きなお弁当が自分で作れる

・味付けをその場で好みに合わせてあげる

 

②作るところとお客様の間にも遮るものがありません。

目の前でお肉の塊から商品を作ります。
・肉を目の前でカットしたりミンチにしたり、カツとかコロッケ店頭で注文してもらいその場で揚げることができます。
「ミンチ類が一番何入ってるかわかんなくて危ないよ、変色・腐って店頭にだせなくなったものやどこの肉が入ってるかわかんないから怖いね」と思っているお客様も少なくありません。刺身も同じです。目の前でさばいてくれる魚屋さんでしか買わない方もいます。

 

③商品とお客様の間にも遮るものがありません

商品を触ったり味見することができます。販売量をを予測したり売れ残りそうになったら安くすることで売り切ります。ラップによるパックはしません。いつも出来立てを売っています。

 

 

3.オーナー自身が接客していること

現場の判断でどんどんお客様のニーズに対応していけます。

たとえば
・買い物客は疲れることがあります。→ 椅子を置いておきます。

・買ったばかりのつくりたての商品を食べたくなる → ちょっと食べられるスペースを設けお茶などの飲み物をあげます。

・連れてきた子どもがぐずり出したとき → コロッケなど子供が好きでちょっと食べられる物をあげます。

・もう少し違う商品が欲しくなったとき → 意見を聞いて新商品を作ってみる。
・散歩の途中で立ち寄りたくなったとき → ちょっと休んだり食べられるスペースを設けお茶などの飲み物をあげ、仕事の手を休めて話に付き合ってあげます。

・持って帰るのが重い → お肉や惣菜や弁当を配達します。隣の土屋青果さんと協力して野菜も一緒におとどけします。

 

 

4.商品、品揃え

専門家が仕入れたこだわりの食材もありますが、食材でパートさんが作った料理(惣菜)も大手のお店と差別化しやすい商品です。「自分ではやる気にならないひと手間かけた美味しい家庭の味」がコンセプトです。

①専門店の食材
野菜や肉の専門家の目で選んだ食材を揃えています。

②加工食品 惣菜では腕のいいお母さんが作る家庭料理が基本
揚げ物や炒料理は、誰が作ってもそこそこの味になりますが、煮物などは手間がかかり作る人の知識や技術でかなり違ってきます。自宅ではやる気にならないひと手間かけたおかずを作ります。料理がうまいパートさんを雇う必要があります。

腕のいいお母さんが作る子供が喜ぶ料理
子供向けには見た目が大事です。子供が喜ぶ盛り付けに気を配った商品を作ります。

腕のいいお母さんが作る自分の両親が喜ぶ惣菜
歳ともに、やわらかいものへ移行していきます(生野菜から野菜ジュース、野菜の煮物、ポテトサラダへ)。「自分の両親、祖父母はどのようなおかずに喜ぶのか?」を考え惣菜を作っていきます。

腕のいいお母さんが作るパパが喜ぶ料理
ボリューム感があって安い。豚肉の照り焼きなど。。。

 

 

5.移転の前に自店の強みを確認します。

路面店の強みは上記のとおりですが、これらを踏まえたうえで、自店の強みを調べます。
強みというよりも、どのようなお客様がどのような点を良いと思っているのかを調べます。

お得意様に直接聞いてみたり、アンケートをお願いします。
クーポンなどをつけてアンケートを書いていただくのではなく、なるべく無償でお願いします。
無償で協力してくれる方が、お店を応援してくれている方です。
無償でお願いするのが難しい場合には、クーポンや商品と引き換えにお願いします。

主婦の方など、めんどくさがって書いてくれないときが少なくありません。
その時には、ヒアリングをしながら、その場で話してくれたことを自分で書き込んでいってしまいます。

 

 

6.競合店の調査

どのようなお客様がどのような点を良いと思っているのかがわかったら、競合店を調べます。
近くのスーパーやコンビニに行き、何歳ぐらいのどのような方が、どのような商品をかごに入れているのかを見ます。
また、スーパーやコンビニで売っている加工食品や弁当・惣菜を全部買ってきて自分で食べてみます。
自店のお店の人にも食べていただき、自分の店の商品と食べ比べます。
食べ比べてみると、相手や自店のよいところも悪いところも見えてきます。

 

 

お店の移転後も相変わらず来てくれるお客様がいます。その中にも、距離が遠くなって不便になったにも関わらず来続けてくれるお客様がいるとおもいます。 

これらのお客様を見つけたら、お礼や感謝を伝えつつ(粗品やクーポンをあげるなど)、なぜ、来続けてくれるのか、その理由を聞き出しましょう。

この理由こそが自店の強みです。

 

 

 

 

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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