人材を育てる褒める朝礼の仕方 その1 褒める効果

朝礼は欠かせませんが、意外に費用がかかるものなのです。一方、褒めることはタダなのに、褒められたスタッフはボーナスをもらったときと同じようなうれしさがあります(お金をもらったときと同じ脳の部分が活性化している)。つまり、朝礼で褒めるということは、神座育成で最も経済的で効果的なのです!

 

1.朝礼の費用はばかにならない


朝15分の朝礼にかかる費用は、人件費から計算すると数十万円にもなるんです。

パート 時給1000円 経費なども考えると15分200円
店長 年収600万円 経費考えると800万円 15分840円
社員 年収400万円 経費考えると520万円 15分550円

パート10人、店長 社員4人で朝礼を15分すると
200✕10+840+550✕4=5040
月に25日おこなうとすると 5040✕25=126000円 になります。

朝礼を15分しただけで12万円以上経費がかかるわけです。
終礼もすると、この二倍かかります。

朝礼や終礼は費用がかかるものなのです。
25万円を活かすも捨てるも、やり方次第です。

目標達成を促したり叱咤激励するのも方法ですが、褒めるのも効果的な良い方法です。

人は、ほめられると嬉しいものです。
しかし、正面切って褒めるのも難しいものです。
そこで、カードを利用します。
まずは、100円ショップで名刺サイズのカードを購入してきてください。
・良い接客
・気持ちの良いあいさつ
・ちょっとした工夫
などを良いなとおもう行動を見たら、カードに「○○が良いです!」と書いてその人にあげます。
して、たとえばカードが20枚たまったら、朝礼で、店長がみんなの前で具体的にどのような行動が良かったのかを褒めてちょっとした景品をプレゼントします。

こうすることで、良い行動を浸透させていくことができます。
これをWEB上でバッジをあげる形でやっているシンクスマイル(http://5smile.com/)と言う会社があります。

シンクスマイル

 

 

2.褒めると相手の中でいろいろな変化が起こるのです  

人は褒められると、脳にアルファ波が流れて心がリラックスした状態になり、ベータ・エンドルフィンというホルモンが出て幸せな気持ちになり、身体の疲れが消えて、精神的にも充実してやる気が出てくるということになる。

1)脳報酬 褒めることはボーナスと同じ

ひとは、叱って伸びるタイプと褒めて伸びるタイプがあると言いますが、褒めるとひとの中でどのような変化があると思いますか?

褒められて時の脳

緑色がお金をもらって嬉しかったときに活性化した場所で、紫色が褒められたときに活性化した場所です。
褒められた時の方が範囲が狭いですが、同じ地域が活性化していることが分かります。

つまり、ひとにとって、褒められることとは、お金をもらうことと同じ意味があるのです。

給料は増やしてもらっても、効果は長続きしません。
給料が増えてうれしくて頑張ってくれるのは、もって、3ヶ月です、、、。
(個人差は大きいですが)
ボーナスも、一度増やすと、次回はもっと多くを期待されてしまいます。
クライアントの会社で、創業社長が、売上が減ったときに身を削ってボーナス費用を捻出したのですが、誰も喜びませんでした。それどころか、少ないって、、、不満が出たのです。
お金って増やしても、すぐに、当たり前になってしまうんですね。

しかし、褒めることに費用はかかりません。
何回褒めてもタダです。
ただ、あまり褒めすぎると効果が薄れますので、タイミングを計って褒めることが必要です。
褒めるということは、うまく使えば給与やボーナスよりも効果的なのです。

2)記憶定着

人間は何かを学ぶ時、褒められた方がより記憶に定着し効果的に学習できることが分かっています。

褒めると上達

 

生理学研究所の定藤規弘教授らの研究チームは、右利きの成人男女計48人に、左手を使って決められた順序でパソコンのキーボードを打たせ、30秒間で早く正確に入力する練習を12回させました。
続いて、練習結果の優劣に関係なく、(1)自分が褒められる映像を見る (2)他の人が褒められる映像を見る (3)自分の成績をグラフで見るだけ―の3グループに分類。
翌日に再びテストし、各グループで入力がどれだけ向上したかを調べた。
その結果、自分が褒められたグループは練習より約20%多く打てたのに対し、他の2グループは約14%の向上にとどまったのです。

この差は小さいように見えますが、毎日やると言うことは、かけ算になってくる。
1.2?1.2=1.44

 

3.褒める効果

1)会社の再建
「築地ちとせ」という土産用の和風生菓子メーカー(年商は8億円従業員70名)は、自己破産し寿スピリッツという会社が再建しました。このとき導入したのが、従業員同士がお互いを「ほめる」朝礼です。

2)リーダーを育てる
‘ほめる’には、スタッフに関心をもって熱心に観察する力が必要になります。また、スタッフの話を良く聞き、一旦気持ちや考えを受け止め、心に余裕がある状態でないと良いところが発見できません。さらに、タイミングよく「すごい」「良いですね!」「良く出来ましたね」といった褒める言葉が自然に出てくるようになるためには、素直にスタッフのことを見れる感覚が必要になります。

3)モチベーションを上げ経営手法を効果的にするベースを作る
褒められると社員はやる気になります。
つまり、ほめることは、「あなたをよく見ていますよ」「いつも気にしていますよ」伝えていることと同じなのです。
社員は、上司から、注意されると嫌になりますが、認められたら頑張ろうという気持ちになります。
社内にマイナスの気持ちが蔓延したら、どんな経営手法を導入しても効果は出ません。
プラスの気持ちを広げておくことが、経営手法を効かせるために欠かせないことなのです。

4)リーダーとスタッフに自信を育む
褒められると自信になり、もっとがんばろうという気になりますが、褒めた方も心が気持よくなります。
脳は他人に向かって言われていることと自分に向かって言われていることの区別が出来ないので、人を褒めると言うことは、実は自分自身を褒めていることでもあるんです。
周囲で聞いている人にとっても、褒められているようなものなのです。

5)事故防止
建設会社の場合、事故を防止するためには社員同士のコミュニケーションが重要です。
そこで、お互いを褒める朝礼で、コミュニケーションを深め、事故を起こらないようにしようとしています。
コミュニケーションが高まると、安全性と共に作業の効率アップも見込めます。
6)売上UP
パートの女性のAさんが、少し高めの赤ワインを頼むお客様に、食後に少しクセのあるウオッシュチーズをお勧めしたところ意外と喜ばれました。翌日の朝礼で、店長がそのことでAさんを褒めたところ、他のスタッフも何人かがチーズをお勧めるようになり、もう一品注文が増えるようになったのです。

7)本音を言える信頼関係を築く
仕事で安易な妥協は命取りになりますが、だからといって会議で激しい議論をすることも雰囲気を悪くします。会議で本音を言える雰囲気を作るためには、朝礼ではほめることに徹しお互いの信頼関係を強くしておくことが必要です。

8)朝一番で褒められる効果
朝から注意されたり怒られたりすれば、当然、一日モチベーションは下がります。
反対に、褒められれば、気分よく一日の仕事に取りかかれ仕事の効率も上がります。
褒められた方も、たとえお世辞だとかとわかってはいても気分はよいものです。
また、他人を褒めると、自然と褒める方の顔も笑顔になります。
怒りながら褒めることが出来るのは竹中直人ぐらいです。
褒めるということは1日の仕事を上手くスタートさせる良い方法なのです。

9)皆の前で褒められる効果
職場の仲間や上司の前でほめられると、これまでの自分の考え方ややってきたことが、周囲のひとに認められた気分になります。これは、仕事をする上でかなり大きなモチベーションになります。
やる気があって自分なりに頑張ってきたひとほど、大きなモチベーションになります。

10)お客様に言われるのが一番効果的
上司に褒められるのも嬉しいものですが、お客様に褒められるのは格別です。
上司や同僚が見ていなくて努力が認められなくても、お客様が見てくれ、しかも、それを職場に伝えてくれたと言うことは
とても嬉しいものです。

11)スタッフの育成
スタッフは欠点だらけです。直さなければならないところが多くあります。しかし、欠点を直すには、時間と手間がかかります。言い過ぎれば辞めてしまうかもしれません。
そこで、まずは長所を伸ばすことが先決です。そのためには、良いところを褒めることです。
長所にもいろいろありますが、その中でも伸ばしたい長所をどんどん褒めていけば、そこが伸びていきます。

 

では、実際に、褒める朝礼はどのような手順でやれば良いのでしょうか?

人材を育てる褒める朝礼の仕方 その2 褒める朝礼の仕方 に続きます。

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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