小さい街のケーキ屋(洋菓子屋)さんは専門店になって現状打破!

※ 洋菓子店さんもかなり苦しいようです。なにをやっても効果が出ないお店も少なくないようで相談が徐々に多くなってきています。

 

1.地域の平均収入と売れるケーキの価格には大きな関係があるんです。

都内や大阪市内では500円が当たり前のケーキでも、千葉の鎌ヶ谷や大阪の南地域では300円でも高いと言われてしまいます。地域による価格感覚は、私たちの想像以上に大きく異なっています。

千葉県で、人口密度が高く平均所得(2006年度)が400万円以上の市町村を見ていく(貴志原の情報局より)と、浦安市と市川市ぐらいしか見当たりません。
一方、東京都では、23区のほとんどが人口密度が高く、平均所得が400万円以上に該当しています。
大阪府を見てみると、該当するのは箕面市、吹田市、豊中市ぐらいで、大阪の南地域、阪南市では、所得が330万円を切っています。

人口密度が高く平均所得(2006年度)が400万円以上の市町村では、ケーキが400円~500円するのは当たり前で、お客様は美味しければ抵抗なく買っていただけます。
しかし、それ以外の地域では、300円でも高いという感覚があり、基本的に200円~400円にしないと売れません。
※駐車場を設け、自動車で来店するお客様を広く集められれば、高額で売ることも可能です。

平均所得ぐらいあれば、400円程度でもうれると考える方も多いと思いますが、たとえば、下記の表(貴志原の情報局より引用 詳しくはこちらのサイトを見てください。)では、鎌ヶ谷は所得が全国平均以上なのですが、それでもケーキが300円では高いと言われてしまいます。

低価格と高額に2分されてきているように感じています。
先ほどの、200円~400円と言う価格帯ですが、ご存じのように、この価格帯は、オランダ屋、タカラブネなどのチェーン店の価格帯です。
この価格帯にすると、チェーン店と競合してしまう訳です。

 

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2.人口密度が高い地域には、中低価格のチェーン店が出店しています。

チェーン店には、オランダ屋、タカラブネ、不二屋、シャトレーゼ、コージーコーナーなどがあります。
さらに、ローソンが低価格から通常価格までの範囲で品揃えをよくしてきています。

千葉県でチェーン店の出店先を見ていくと、人口密度がある程度高く所得が平均前後の地域の駅の大型スーパーや幹線道路沿いに出ていることもがわかると思います。
ある意味、洋菓子屋さんをやっていけるボーダーラインの地域ともいえます。
ローソンはこれよりも広い地域を押さえており、所得が高いところから平均を少し下回るところまで、くまなく出していることがわかります。

ケーキを200円~400円で売る地域は、チェーン店とローソンに押さえられていると言うことです。

地元密着という方法でファンを確実に増やしていくという方法もありますが、お客様の収入が減少していること、材料費が上がっていること、チェーン店やローソンのケーキの質が格段に上がってきていることを考えると、競合しない方が良いと思います。

 

■オランダ屋の出店MAP

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■シャトレーゼの出店MAP

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■さらに、コンビニ、特にローソンが「マチの洋菓子専門店としてUchi Cafe ブランドを展開しています。

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3.ローソンのケーキの品質とコストパフォーマンスが半端ない!既に普通のケーキ屋さんかそれ以上!

コンビニのケーキというと、美味しくなく、見た目もださくてお客様に出すなんてとんでもないものでした。
せいぜい、お金がないけどなんか甘いものが食いたいときに買ったものです。

それが、自分へのちょっとしたご褒美になるレベルになり、さらに、友人などへのお土産で喜ばれるレベルのものにものになってきています。
今年のクリスマスでは、苺のクリスマスロール 5号が2800円、スペシャルストロベリークリスマス6号にいたっては、10,500円もするんです。
もう、一般の洋菓子屋さんと同じ、それ以上かもしれません。

ローソンのUchi Café SWEETSは大人気で、ロールケーキが1億6000万個、チーズケーキも発売1ヶ月で400万個以上を販売しています。
(店舗数が多いので当たり前と言えば当たり前ですが、浸透しているのは確かです)

ローソンのケーキは、品質は洋菓子屋並かそれ以上で価格は半分。
困ったものです。
しかし、専門店ではないこともあり、品揃えは洋菓子店に劣ります。
これが唯一の救いです。

ただ、ローソンのおかげで、ケーキの価格がどんどん下げられてきてしまっている感は否めません。
今後、さらにバリューをあげてくると、チェーン店でさえ危ないかもしれません。

 

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4.対抗して街のケーキ屋さんの多くが低価格化している。

高収入地域以外では、基本的にケーキの価格は400円以下に押さえています。
※車来店用のお店では高価格で売ることも出来ます。

しかし、これではケーキでは利益がとれません。
もともと、利益は焼き菓子やホールケーキの方が格段に大きいのですが、その傾向がますます強くなってきました。

日頃、生ケーキを食べて気に入ったお客様が、クリスマスや誕生日にホールケーキを買ってくれて、やっと利益が出るという流れです。
クリスマスや誕生日にホールケーキを、お歳暮には焼き菓子を買ってくれる常連さんをいかに多く集めるかが、お店の生命線となってきています。

そのため、接客では、一人一人の個客に密着し、リピーター化をさせる努力が行われています。
クーポンを発行したり、メール会員にしてキャンペーン情報を流したり再来店させるきっかけの提供にやっきになっています。
また、美容院の接客のように、お客様一人一人と話したことや個人的なことをメモることで、「合格おめでとう」などと言えるようになり、個人的な付き合いを深くするように努力しています。

 

しかし、これだけやっても、年々お客さんの収入が低下することや、小麦粉などの原料の値上げによって、それでも耐えきれなくなるところも少なくありません。

 

5.ここまで来ると地元のマーケットはあきらめるしかないのか?

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上の図は、横軸に品揃えの違い(一般的になんでも揃えているものから専門的にロールケーキや米粉ケーキなど一つのシリーズしか置かないところまで)、縦軸は価格帯です。

この図では、特徴的な経営をしているところは、4角になります。
・価格が安くていろいろある チェーン店やコンビニ
・価格が安くて専門的な品揃え(Mr.ドーナツなど)
・価格が高くていろいろある本格的高級ケーキ屋さん
・価格が高くて専門店

下の2つの角の場合、低価格で利益を出すには量を売らなければならず、量を売るには在庫管理や売れ行き予測などオペレーションが必要で、シオペレーションを精度良くするためにはステムが必要となります。
これでは、個人店には無理です。

つまり、個人店は高価格帯でいくしかないのです。

 

高級店で必要なのは、駐車場です。
金に糸目をつけないケーキ好きを広範囲から集客しなければならないので、駐車場が必要です。
また、おいしそ~なものは食べてみたくなります。
しかも、素敵な雰囲気の中で食べてみたいものです。
そこで、綺麗な店、高級感あふれる雰囲気で食べられる、イートインのスペースが必要になってきます。
さらに、パティシエが、有名店で修行、コンテストで優勝していたら申し分ありません。

高級ケーキ店は、雰囲気を売っているようなものです。

 

個人店に素敵なイートインは欠かせません。
いくら美味しいケーキを作ったとしても、お客様がそれを汚くて小さな部屋で食べたら、、、美味しくありません。
美味しく感じさせる仕組みが必要です。洋菓子店は夢を売る商売でもあるのです。

また、この素敵なイートインスペースはケーキを美味しく感じさせます。
お店によりますが、イートインスペースで出されるケーキは冷凍保存されていたものが少なくありません。
できたてではないのです。
しかし、ここで食べると美味しく感じるのです。
イートインは、洋菓子店にとって利益を生み出すなくてはならない仕組みといえます。

 

<冷凍は下記の方法でやるのが一般的>
①保存
常温のケーキを下記の3つの方法のうちどれかで包みます。
・耐油紙で包む。
・ラップもしくは耐油紙で包んだ後、さらにアルミホイルで包む。
・真空パックする(空気を抜き過ぎないよう注意)。
② 解凍
包みを取り、金網台にのせ、室温で2時間ほど自然解凍する。
※電子レンジや再加熱はしない

 

 

6.美味しく感じさせる方法は他にもある 工夫しよう!

たとえば、果物やが季節の果物ケーキを始めるのも効果的です。
果物の専門店が作っているからこそ、良い高級な果物をふんだんに使っているのに安く出来ているに違いないと思っています。

また、フランス人のパティシエが作っていると、美味しく感じます。

■お客様に「美味しいはず」と思わせる仕組みがあれば良いのです。

・一人住まいの女性用
ケーキとジャスミなどの少し珍しいお茶のセット  一人用のかわいいポットとセットにしても良いですね

・祖父母と同居している方向け
ケーキと和菓子のセット 少し大きめにしてシェアできるようにする

・子供連れのママ用
お店の中にキッズスペースを作っておいて、ママはゆっくり見れる つでに試食も楽しめる。

・ペット連れのお客様用
ペットつれて店に入ることができ、ペット用の低カロリーケーキとセットになっている。
ペットも試食が出来るようになっている。

・おもしろい売り方
ピザのように2種類のケーキが半分ずつ一つになっているホールケーキ。ハーフアンドハーフ

・飲んで帰るパパ用ケーキ
ママへのメッセージがついているケーキ
「いつもごめん」「おつかれさま」「いつもありがとう」「愛しているよ」「捨てないで」などのメッセージが書いてあって選んで買うことが出来る。

・雑貨屋と提携する
人気の雑貨屋と提携してお店でケーキに合う雑貨を売る。反対に、雑貨屋で焼き菓子を売る場所を借りる。

・和菓子屋と提携する
和菓子屋と提携して、自店でもケーキに合う和菓子を売る。反対に、和菓子屋にケーキ屋焼き菓子を売ってもらう。

いろいろなことが考えられます。

お客様がどうすれば興味を持ったり便利になったり喜ぶかを、シーンごとに考えます。

・家で一人で買ってきたケーキを食べるシーン、家族と食べるシーン、お年寄りと食べるシーン、
・店頭で子供に「静かにしなさい!」と叱りつけばがら選んでいるいるシーン、ペットを店の外で待たせながら選んでいるシーン、おばあちゃんとママさんが2人でお店に来て選んでいるシーン

いろいろなシーンが考えられます。

 

 

 

7.イートインも駐車場も作れない場合には、立地が決定的になってくる。

駐車場もなく徒歩や自転車でくるお客様のみ、地域で商売をしていく洋菓子店は、23区や大阪市内のように、人口密度が高く平均年収が高い地域でしかやっていけません。
立地が悪い場合には、移転も考えるべきです。

立地が良い場合には、小さなながらも徹底的に演出していくことが必要です。
たとえば、BMやベンツやランボルギーニなどの目立つ高級車を借りてきて、店の前に留めておくのも手です。
いつも高級車がとまっていて見た人の記憶に残り、儲かっているんだな~と印象づけられます。

そして、小さな宝石のようなケーキとお店作りをしていきます。
店に外内装、調度品、展示方法、ケーキを包んでいる紙、箱、持ち帰り用の袋、ケーキを一番中心に置き、ケーキを何十にも包んでいるものをすべて、統一したコンセプトでおしゃれに作っていくのです。
デザイナーに頼むと費用がかかりすぎますので、自分のセンスが勝負所です。
おしゃれな雰囲気をなるべく費用をかけずに演出するのです。

おしゃれな雑貨屋や問屋に行って、自分で作り込んでいくことが大切です。

 

 

8.もし、立地が悪く、その上さらに、近くにチェーン店がある場合、外から攻めましょう。

立地が悪い場合、いくら安くしても、チェーン店やローソンには太刀打ちできません。
地元の人も、凝った高級ケーキを求められていません。

立地を変えないのなら、一般的な洋菓子店でやっていくことはあきらめ、専門店になるしかありません。
たとえば、米粉のケーキ専門点として地元以外に広く売るわけです。
それにはブランディングとネット販売が必要です。

ブランディングには、なんでも良いので一番になることです。

・米粉ケーキの種類なら県内随一
・米作りからすべて無農薬で自家製をしているのは県内でもうちだけ
・県内でも一番いろいろな産地の米粉を使っていて、様々な食感を楽しめるようになっている
・日本中の米粉ケーキを食べたパティシエが考案した他にはないケーキ
でもかまいません

その一番をネットでアピールしていくわけです。
県内で知られるようになると、地元でも売れ出しますので、とにかく知名度を上げることが肝心です。
一旦地元のマーケットをあきらめ、外に出て、外から攻めるのです。

しかし、ネットだけでは効果は出ません。
リアルな活動が必要です。
尊敬され社会貢献にもなる活動が良いです。

米粉なら、アレルギーを持つお子さんを持っているママさんに、米粉ケーキの作り方教室を開いてあげるなどです。
小さくてかまいません。
数人でもいいので、開きましょう。
そして、それを、ネットで公開するのです。

ネット×リアル、一番×社会貢献(先生)が、ブランディングの基本となります。


工藤 英一

About 工藤 英一

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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2 Responses to 小さい街のケーキ屋(洋菓子屋)さんは専門店になって現状打破!

  1. 菅家昌信 says:

    はじめまして、松戸でケーキ屋をやっている菅家と申します。今年の1月から店舗併用住宅でリニューアルして営業してますが、苦戦してます。

    • 菅家様コメントありがとうございます。
      リニューアル後苦戦と言うことですが、もしかしたら、以前よりお店が駅から遠くなっていませんか、また、お店が駅から遠い場合、ロードサイドになっているのでしょうか? 駐車場やイートインもどうでしょうか?
      ない場合、厳しいと思います。菅家様の強みを活かした対策を立てる必要があると思います。
      一度、詳細をお知らせいただければ原因を調査いたします。最初の調査は無料ですので、ご検討ください。
      ■連絡先 メール:kudo@qualia-partners.com TEL:03-3951-3200 

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