悪い立地にお店を出しては繁盛させている居酒屋

 

立地のが悪いということは、お店の前を歩いている人がいないということです。

「ちょっとそこで飲んでいこうか」ということはなく、来るのは、「くいものや楽」に来ようと思ってわざわざ歩いてきたお客様のみです。

お得意様しか、お客様がいないということであり、お得意様が友人や同僚を連れてこなければ、新しいお客様は来ないということです。お得意様が、へんぴで不便なところにあるお店に友人や同僚を連れて来るには、かなり勇気がいります。さんざん歩かせるのですから、失敗は許されません。

お得意様が、誰に紹介しても間違いないと思うお店でなければやっていけないわけです。

 

このお店の一番の商品は、地酒やつまみではなく、従業員さんです。

従業員さんが、お客様の名前を覚え、好きになり、お店で接客をしていない時でも好きなお客様のことを考えながら、そのお客様のために仕事をする。
そして、お店でそのお客様と会えば、機会を見つけては会話を楽しむようにしていく。

そんなことが、一番のウリなのです。

 

根本的に、男性のニーズと女性のニーズは違っています。

一般に、男性は、体力や知力、仕事の効率や物事の達成に価値観を置いていて、自分の能力を証明できるとうれしくてたまりません。ですから、「こんなにすごい料理できました」、「幻のお酒を置いてあるんです」といったことに走りがちです。

一方女性は、人間関係にうれしさを感じ、「自分のことを気にかけてくれる、常に自分のことを思ってくれている」ということを周囲に求めます。ですから、料理の味もさることながら、接客、雰囲気をとてもを重視します。

 

ここに、ミスマッチが起こっているのです。
しかし、くいものや楽さんは、見事に女性のニーズに応えていると思います。 女性が喜んで来るお店には、男性客もやってきます。

 

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くいものや楽

※ このお店は、暖簾も看板も出さないんです。
立地は悪い、のれんも看板も出さない。お客様なんて来るはずがないんのですが、、、。

<くいものや楽 経堂本店(東京・世田谷区)>
住所      東京都世田谷区経堂2-19-10
電話      03-3427-5611
営業時間   17:30~24:30 年中無休
店舗規模   20坪50席

 

1.背景


楽経堂本店は、小田急線の経堂駅から徒歩5分。
駅から住宅街へ続く路地で、人通りは少なく、居酒屋をはじめるには避けた方が良いような場所です。

店内の1階の客席は、大きなテーブルをうまく使い、くつろげる雰囲気を演出しています。
それでいて、多くのお客様を入れられるようにできています。

※現在、楽敬堂は、グループ全体で都内に20店舗、カナダで1店舗を展開していますが、どのお店も、営業していくには難しいところばかりに立地しています。

 

2.このお店がお得意様を増やすためにやっていること


1)お得意様(常連さん)と話す機会をつくりだす商品を置くようにしている

・ヱビスビール
エビスビールを選んで置くのは、エビスビールのことで色々と話すことが増えやすいからです。
そのため、515円という手頃な価格でおいています。

・巨大大根おでん
これは、下北沢の「楽」が開店した頃からのロングヒットメニューです。
「大根おでん」は、だいこん半分(1/2本)のかなり大きなおでんの具です。
これをドンと皿に載せてお客様に出してしまいます。

※この巨大大根おでんの狙いは、「お客様に声を掛けるチャンスを作ること」なのです。
この大根おでんは大き過ぎて、たいていのお客様が食べきれず飽きて、冷ましてしまいます。
そこで、冷めて放っておかれているのを見つけ、「温めなおしましょうか?」と、お客様に声をかけるのです。
このちょっとした一言が、「なんて親切な!」とお客様の気持ちを少しうれしくします。

2)会話のきっかけを仕込んでおく

・居酒屋は口コミ商売と心得る
初め1人で来店したお客様が、次には友人や同僚と2人で来店し、また、その次に来る時は会社の同僚と4人で来店する。
このような、お客様がお客様を連れてくることを、常にイメージしながら目の前のお客様に接するように心がける。

・暇なときは次に来るお客様のことを考え準備する
暇になったら、次にどのようなお客様が来るのかを、想像します。どんなお客様が来て、何を注文するか、何を話すのかを考え、準備をします。

・もし、仕入れの時にうまそうな食材を見つけたら仕入れる
旨そうな食材を見つけたら、「〇〇さんだったら喜ぶだろうな」と思い、〇〇さんのために買っておく。
そうすると不思議と、〇〇さんが実際にお店に来てくれます。

・もし来なかったら、それも会話のきっかけにする
せっかく仕入れたのに〇〇さんが来なかった場合、次に〇〇が来たときに、「この間来ると思って○○を仕入れておいたんですよ」と言う。
そういわれてうれしくないお客様はいません。
買っておいたことが、お客様との会話のきっかけになります。

 

3.居酒屋の一番の商品は「人」


・お客様の名前を覚えるようにする
景気が低迷している今こそ、お客様ひとりひとりの名前を覚えることが効いてきます。
『カウンター1番さんにビール!』と言って注文を通すよりは、『○○さんにビール』と言うほうが、聞いているお客様も気分が良いに決まっています。

・もっとお客様のことを好きになる
お客様のことが好きになればなるほど、もっと旨いものを仕入れうまい料理を作りたくなります。

 

 


工藤 英一

About 工藤 英一

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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