新商品開発 第5章3)新商品のネーミングと隠喩

ネーミングは、その商品に持たせたいイメージや機能からつけますが、その中にプラスのイメージの隠喩を上手く含ませたものがヒットになっています。

 

3)新商品のネーミング

 

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新商品を開発した方からすると、「新商品を販売するのにネーミングなんかはたいした問題ではない」と思っていると思います。

良い商品なのだから、使っていただければ良さは十分に分かるかるはず。

一度使った方は口コミしてくれるはずなので、勝手に広まっていくはず。

 

確かにそうです。

しかし、お客様が友人に口コミするにも、商品の名前が必要です。

すぐ忘れられるような名前や他社の商品と混同されるような名前では、覚えてもらえません。

しかも、せっかく使ってみて感動した方が友人に話してくれても、友人はすぐに忘れれてしまいかねません。

ですから、良い名前が必要なのです。

 

 

■ネーミングとは、 

「一言ですべてを伝え、一言で読んだ人の気持ちを揺さぶり、耳に残って忘れられないもの」 です。

その新商品の「売り」、「従来商品との違い」、「作った人たちの思い」、「使う人の思い」を一言に凝縮して、読んだ方に一瞬で感じさせるものです。

 また、「説明系」と「イメージ系」に別れます。

ネーミング

白もの家電系などの日曜品は説明系で、パソコンやデジカメなどの嗜好品はイメージ系が多いです。

さらに、ネームは、その商品を使うときにのシーンにもよって変わります。

周りに人がいるところ使うことが多い場合には「VAIO」などのカッコイイイメージ系の名前で、家で1人で洗濯や掃除などの作業をする時に使うのであれば、「新鮮生活」などの説明系のベタな名前が多いです。

 

 

 ③ネーミングとは上手い喩えなのです。

■ワンダモーニングショットと言う名前の缶コーヒーは有名です。

「ワンダ」 「モーニング」 「ショット」 という3つの単語から出来ています。

言葉には、隠喩が含まれており、私たちはこれらの単語を見ただけで、自動的に連想をしてしまいます。

「ワンダ」と読んだら、、、分かりません???連想するにはアフリカのルワンダぐらいです。

「モーニング」と読んだら、朝で、グッドモーニングといった晴れていて元気で気持ちの良い感じ、、、ウイッキーさんを思い出します。

「ショット」と読めば、やはり、ゴルフのウッドで思い切り打ったときの「ナイスショー」です。

これらの連想をつなげると、、、
「なんだか分からない?」 「グッドモーニングといった晴れていて元気で気持ちの良い感じ」 「ゴルフのウッドで思い切り打ったときの「ナイスショー」」
となります。

訳すと、「なんだか、天気の良い日の朝、ゴルフ場で1番ウッドで一発気持ちの良いショットが打てた~という感じ」ということになります。

ワンダモーニングショットと言う名前を聞くだけで、私たち、名前から飲むとこんな感じがするコーヒーなんだな~と勝手に思ってしまうわけです。

 

■説明系の名前でも隠喩が含まれています。

「新鮮生活」という名前の商品がありますが、これは冷蔵庫の名前で、マイナスイオンによる野菜の高い鮮度保存性能が売りの商品です。

「新鮮生活」を分解すると、「新鮮」と「生活」です。

「新鮮」から連想するのは、野菜、健康、緑、青空、若さ、瑞々しい、美味しい などです。

「生活」からは、その時の状況によって、個人差が大きいですね。

主婦なら、子供のことや毎日の家事、やりくりや近所とのおつきあい、結構大変なことばかり連想してしまいます。

続けると、
「野菜、健康、緑、青空、若さ、瑞々しい、美味しい」「子供のことや毎日の家事」
となります。

名前は、野菜を新鮮に保存できるという機能からきていますが、「なんとなく、毎日の疲れ気味の生活が少し健康的で明るくなるような感じ、若くなるような印象」を無意識的に抱かせ流効果があります。

 

■良い名前とは、プラスのイメージを抱かせる隠喩を含んでいるものなのです。

 

 


全国商工会議所用小冊子WEB版 「新商品新サービス開発&販路開拓」  目次
第1章 新商品開発の非常識
1)他人が欲しがるものが新商品
2)スティーブジョブスのすごい妄想力?
3)買って使って感動してまでが新商品開発です
4)本当に良い新製品を開発できたと思ったらアメリカで売りましょう
5)新商品のこえるべき3つの絶壁
6)いくら宣伝しても「売れない商品」は売れません
第2章 新商品の販路を切り拓く
1)9つの販路開拓成功物語
2)販路開拓の基本のキ
3)バイヤーに会う方法と小売店に直接売り込む方法
4)東急ハンズとロフトのバイヤーへの売り込み方
5)バイヤーは常にヒットの芽を探しています
6)ヒットするのはバイヤー目線よりお客様目線
第3章 新商品のコンセプトを作る10の方法
1)トレンドを無視してヒット商品はつくれない
2)新商品を開発するときの3つ基本戦略
3)不満・悩みから新商品を考える方法
4)ヒット商品から新商品を考える方法
5)他人のアイディアから新商品を考える方法
6)「変わった使い方をしている方」を見つけて新商品を考える方法
7)ヒットのパターン例から新商品を考える方法
8)オズボーンのチェックリストを使って新商品を考える方法
9)新サービスのコンセプトの作り方
10)キーワードから新サービスを考える
11)最も強力な新商品の開発方法 「すべて真似る」
第4章 すごい製品を開発する
1)新商品開発でどのコア技術を磨けば良いのでしょうか?
2)定食屋さんやケーキ屋さんの新商品開発のコツ
3)常連さんを増やすことをダイレクトに狙った新商品の開発方法
4)新サービス開発を成功させる要
5)ヒットメーカーはすごい技術を外から持ってくる
第5章 すごい製品をヒット商品に仕上げる
1)製品を売れる商品に作り込んでいく
2)90点になるまで絶対にあきらめない
3)新商品のネーミングと隠喩
4)短時間で簡単に誰でも良いデザインを作る方法
5)新商品に高い信頼性をつける
6)正しいお客様をとことん楽しませ話題を作ります

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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