新商品開発 第2章6)ヒットするのはバイヤー目線よりお客様目線

新商品がヒットするかどうかは、新商品がお客様目線で作られているかどうかできまります。このため、試食や試用会で、お客様が大満足するまで商品を作り込めるかどうかが成否を分けるのです。

 

6)ヒットするのはバイヤー目線よりお客様目線

目線

 

①お客様の意見はバイヤーへの売り込みの最高の武器

バイヤー目線の商品ではなく、お客様目線の商品がヒットするといいます。

バイヤーは商品の目利きですが、実際に買うお客様はバイヤーとは違うところを見ていることが少
なくありません。

バイヤーが良いと思っても売れない商品や、逆に、バイヤーが売れないと思っても売れる商品は多くあります。

新商品の販路開拓は、バイヤーに売り込む場合であってもエンドユーザーのことを考えておこなわなくてはなりません。

 

カット野菜

■例えば、スーパーに置いてあるカット野菜(袋詰め)の場合

バイヤーは、見た目が重要と考えたのですが、ユーザーは「手詰め」であることに一番好感を感じ
ていました。

機械で詰めていると思い込んでいて敬遠していたお客様が、手詰めと知って買う気になっています。

お客様は機械詰めに一番嫌悪感を持っていたのです。このことを、バイヤーは知りませんでした。

 

 

※バイヤーは見た目が重要と考えました
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駅前の店舗では、通勤途中で買う人が多く、これらのお客様は買うときも料理にも時間をかけませ
ん。
そのため、カット野菜や理済みの惣菜など、簡単に選んで調理できる商品に力を入れています。
例えば、「クックドゥ」の麻婆茄子、青椒肉絲、回鍋肉など、売れ筋の料理別調味料商品に合わせ
た、カット野菜を作りました。
お肉を合わせれば良いだけになっています。
そのため、見た目が重要であると考えました。
例えば、(ナスの色は添加物がないので色は変わりますが)ナスはひとつひとつ手で詰めてナスの
皮目を表にするようにしています。
機械だとバラバラになってしまうのです。
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※お客様は「手詰め」が良いと思ったのです
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お客様は、機会詰めに悪いイメージをもっており、カット野菜だから機械で詰めていると思い込み
敬遠している人が多かった。
手詰めであることを知って、「一気に魅力を感じました(笑)」と言っています。
パッケージや店頭ポップで、「思いを込めた手詰めです!」とアピールするといいかもとアドバイ
スまでくれた。
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■バイヤーでも、お客様が買う理由、一番嫌いなこと、一番好きなことを正確には分かっていません

そのため、既に売れた実績のある商品を扱いたがります。

バイヤーに売り込むときに販売実績は必要なものなのです。

販売実績を作るには、自社で売ってみるのが一番です。

販売データと実績を作り、データと実績から売れるはずのところのバイヤー絞り込み会う約束を取
り付けます。

バイヤーに会ったら、商品と共に販売実績とデータを渡し、売り方に関する考え方を話します。

 

 

■また、自社で売れば、商品の改良ができます。

さらに、新商品のアイディアを集めることもできます。

例えば、幡本印刷株式会社のカレンダー販路開拓のように、試作品をもって営業し、営業先で得た。

意見をもとに改良を重ねたり新商品を開発し、バイヤーから高く評価されるようになっています。

池内タオル株式会社のタオル販売でも、アメリカのテキスタイルショーに出展しては、バイヤーに
認められるように、商品の見直しを重ね、最後にはグランプリを受賞しています。

ユニクロでも、ヒートテックの完成に3年はお客様の声を集めて改良に次ぐ改良を重ねてきています。

 

お客様の意見は、商品作りの元にであり、バイヤーへの売り込みの最高の武器になります。
自社で作り、自社で販売するからこそお客様から意見をいただけるのです。

 

 

 

②お店の新商品が売れるか売れないかは試食会や試用会で決まっている

試食会

フードコーディネーターのような専門家を味方につけ、ブロガーのように自分でメディアを持って
いる方に直接勧めていただくことが一番と書きましたが、地域で商売をしている場合(車で来店す
る方が多い場合には半径3km内の方がお客様)には、試食や試用会に来ていただくお客様がすべてです。

試食や試用会に来ていただくお客様は、目利きであり、自分でメディアを持っていて広く知らせてくれる方です。

これらの方が、試食や試用会で使ってみて、「良いと思うか?、友人に教えたいと思うか?」どうかで新商品の未来が決まってしまうと言っても過言ではありません。

これらの方に、美味しくない、良くないと評価されてしまったら、いくらチラシを撒いても、HPや
Facebookで広告を打っても反応は得られません。

逆に言えば、「これは良い、是非お友達にも教えてあげたい!」と思っていただければ、チラシを
撒かなくても自然と評判は広がっていきます。

※どちらにしてもチラシはいらないことになりますが、、、。

 

ですから、

地域で商売をしている場合、新商品がヒットするかどうかは、この試食や試用会でお客様が大満足するまで商品を作り込めるかどうかに掛かっていると言えます。

 


全国商工会議所用小冊子WEB版 「新商品新サービス開発&販路開拓」  目次
第1章 新商品開発の非常識
1)他人が欲しがるものが新商品
2)スティーブジョブスのすごい妄想力?
3)買って使って感動してまでが新商品開発です
4)本当に良い新製品を開発できたと思ったらアメリカで売りましょう
5)新商品のこえるべき3つの絶壁
6)いくら宣伝しても「売れない商品」は売れません
第2章 新商品の販路を切り拓く
1)9つの販路開拓成功物語
2)販路開拓の基本のキ
3)バイヤーに会う方法と小売店に直接売り込む方法
4)東急ハンズとロフトのバイヤーへの売り込み方
5)バイヤーは常にヒットの芽を探しています
6)ヒットするのはバイヤー目線よりお客様目線
第3章 新商品のコンセプトを作る10の方法
1)トレンドを無視してヒット商品はつくれない
2)新商品を開発するときの3つ基本戦略
3)不満・悩みから新商品を考える方法
4)ヒット商品から新商品を考える方法
5)他人のアイディアから新商品を考える方法
6)「変わった使い方をしている方」を見つけて新商品を考える方法
7)ヒットのパターン例から新商品を考える方法
8)オズボーンのチェックリストを使って新商品を考える方法
9)新サービスのコンセプトの作り方
10)キーワードから新サービスを考える
11)最も強力な新商品の開発方法 「すべて真似る」
第4章 すごい製品を開発する
1)新商品開発でどのコア技術を磨けば良いのでしょうか?
2)定食屋さんやケーキ屋さんの新商品開発のコツ
3)常連さんを増やすことをダイレクトに狙った新商品の開発方法
4)新サービス開発を成功させる要
5)ヒットメーカーはすごい技術を外から持ってくる
第5章 すごい製品をヒット商品に仕上げる
1)製品を売れる商品に作り込んでいく
2)90点になるまで絶対にあきらめない
3)新商品のネーミングと隠喩
4)短時間で簡単に誰でも良いデザインを作る方法
5)新商品に高い信頼性をつける
6)正しいお客様をとことん楽しませ話題を作ります

 

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工藤 英一

工藤 英一 について

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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