必見!消費者センターから学ぶ本当のクレーム対応術

クレーム対応の一番の悩みは、接客などスタッフが気に入らないというクレームです。暴言をはいたり説教を始めたり、対応しているスタッフが精神的にやられてしまいます。スタッフの態度の悪さはれっきとしたクレームになると、わたしたちもお客様も思っています。しかし、消費者センターではそれだけでは対応しないのです!

1.クレームの全体像はこれだ!  

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クレームには、大きく、ケガや病気、返品や解約など、スタッフの態度や言い方話の内容に関わるものに分けられます。また、契約の有無や実質的な損害の有無、さらに、消費者も業者もクレームや規約で過剰な利益を得たり責任を回避することは禁じられています。

消費者センターは、消費者に関連する法律を基本に消費者と販売者のバランスを取っています。接客にたいする苦情などは扱わず、商品に関するクレームはメーカーに連絡します。クーリングオフはお店で購入した場合は対象になりません。しかし、商品の説明に事実と異なる内容や誤認させるような内容があった場合は、斡旋(指導)にはいる場合があります。

 

2.「消費生活センター」は費者の我が儘は認めない

<センターの概要>

消費生活センター等では、商品やサービスなどに関する苦情や問合せを専門の相談員が公正な立場で受けています。相談窓口は、消費者庁をトップに、国民生活センター、都道府県の消費生活センター、市町村の消費生活センター、消費者相談窓口があります。

センターは、行政指導などの強制力は持っていません。しかし、情報を多くもち斡旋権限をもっています。また、基本的に消費者が自分で交渉するのを支援するのが役目で、助言や関係機関の紹介が仕事の中心です。約1割ぐらいのケースで業者との電話での交渉(斡旋)を行っています。
一方、業者は、消費者基本法の第5条に基づいて交渉に応じなければいけなくなっています。

 

<基本的な判断基準>

センターは、消費者関連の法令や条理をベースに、それらを援用して消費者の支援を行っています。また、業者と契約があることが相談を受ける前提となっており、買ってもいなければ予約もしていない場合には対応できません。

小売店の場合には、主に下記の法令が関わってきます。

・消費者安全法(2009年施行)
・消費者契約法 (2000年成立)
・製造物責任法(PL法)(1994年制定)
・特定商取引に関する法律 (2000年に訪問販売法を改正)
・家庭商品表示法(1962年制定)

これらの法律をベースに、援用する形で消費者と業者の間の問題をADR(斡旋)しています。たとえば、クーリングオフ対象商品に味噌は入っていませんが、「健康食品が良くて味噌がダメというのもおかしい」と考え、味噌でも解約できるように斡旋しています。

表示や説明の義務を果たしているか、キャンセル料は過大ではないか、消費者に不利な契約になっていないかなどを聞き取り調査しながらアドバイスを出し、相談者が自分で解決できそうもないと思った場合には代わりに交渉します。

業者が威圧的、欺瞞的なセールストークで販売などを行った場合には、クーリングオフを迫ることはありますが、商品に何ら問題がないにも関わらず「気が変わった」などの消費者の身勝手な理由でがの返品はセンターも認めていません。保護法律の援用はしていますが、消費者の我が儘は認めないのです。

センターはADR(斡旋)を行っています。斡旋は、消費者、事業者双方から信頼されないと機能しなくなることから、消費者センターの判断はより中立的になってきています。

 

<相談方法と問い合わせ先>

センターは事業者からの相談は受けていません。あくまでも消費者の相談にのる機関です。消費者は、困ったら「消費者ホットライン電話番号 0570-064-370 」にかければ最寄りの消費者センターにつながります。土日、平日のセンターに電話がつながらないときは国民生活センターにつながります。

 

参考になる判例の調べ方(ホームページでの検索方法など)>

判例を検索する場合

国民生活センターHPhttp://www.kokusen.go.jp/ncac_index.htmlにある検索機能を使います。判例を調べる場合には、下記のキーワードを右上の検索窓にいれ検索してみてください。

返品返金:「消費者問題の判例集 返品」
中途解約:「消費者問題の判例集 中途解約」
異物混入:「消費者問題の判例集 異物」
事故ケガ:「消費者問題の判例集 転倒」
表示問題:「消費者問題の判例集 表示」
劣化問題:「消費者問題の判例集 劣化」
性能問題:「消費者問題の判例集 性能」

 

通常の事例集から調べる場合

1.相談事例と解決結果
 返品なら「相談事例と解決結果 返品」の組み合わせで検索、もしくは、「相談事例と解決結果」のページの事例を見ていきます。

2.ADR(斡旋)案件を調べる場合
たとえば、返品についてセンターがどのようなことを基準で判断しているのかを知りたい場合、「ADRの実施状況と結果概要」で検索。概要書内の事例を「返品」で検索していきます。

3.メールでよくある情報提供と回答
横断検索は出来ませんので、各事例をチェックしてください。
「食品」「住居品・被服品・クリーニング」のところに、小売りに関係が事例が載っています。

 

 

<小売業で起こりがちな判例の具体例と判決>

店内で転倒事故 http://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/200306.html

コンビニエンスストアでスタッフが普通に床をモップがけしたが、床がわずかに濡れていた。そこへ両手に荷物を持ったお客様が歩いてきて滑って転倒。ケガを負った。治療費や通院交通費のほか傷害慰謝料として130万円、後遺障害慰謝料として70万円が認められ、過失割合は50%となった。

この例では、一見、お店側には責任はないようにお思えます。
責任があるとしても、半分以下、お店3割、お客様7割程度で十分。医療費(保険適用内のみ)の3割のみを支払うのが妥当と思われます。しかし、判例では、保険外の医療費の他に慰謝料も認めるケースが多く責任の割合も5割以上となり、賠償金が高額になっています。私たちが思っている以上に、身体の安全に関しては、お店側の責任が重く見られているわけです。

お客様がケガをした場合には、お店が全額医療費を見ることで穏便に納めるようにすることが肝要です。※ ただし、必ず診断書を見せていただき、担当の医者に診断内容について直接話を聞いておかなければいけません。

 

簡単な安全確認が食中毒からお店を守った http://www.kokusen.go.jp/hanrei/data/200207.html

レストランで使った輸入品である瓶詰オリーブにより食中毒が発生。
ボツリヌス菌は瓶の開封前から存在していたことが推認され、輸入業者には損害賠償責任が認められたが、レストランについては責任は認められなかった。反対に、一時休業に追い込まれたことにより、輸入業者に対して営業損害として80万円、信用毀損による売上高の減少に伴う信用損害として270万円の賠償が認められた。

この場合、レストランは「事前に同一製品(小瓶)を購入し試食し問題のないことを確認の上でオリーブを購入してお客様に提供していたこと」が、一応の注意を払ったことと認められ責任を免れています安全については、簡単なことでもチェックしておくことが後で役に立ってきます。

 

 3.クレーム対応  

①店長、主任がどのように対応するのか基準をつくります

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クレームには管理職が対応していきます。クレームの頻度と損害額の大きさによってレベル分けし、権限の大きさに合わせ店長、副店長、主任で手分けして対応していきます。

・店長は、お客様がケガや病気になり身体的な安全に関わることで、賠償責任を負うような案件に対応します。
・副店長は、返品に関わるような案件に対応します。返品を受けなければいけないか法的な判断とお店の方針を加味して判断していきます。
・主任は、普通のクレームの他に消費者センターが対応しないようなもの、お客様からの明らかな過剰請求や過度の謝罪、態度が悪いなどの実害と関係のないクレームについて対応します。ハードクレーマーには規則どうり対応し我が儘は聞きません。時間も割きません。執拗な場合には、放置してしまいます。または、弁護士などに対応を任せます。

 

②自店の戦略に合わせてクレームの対応基準を作ります

■接客の良さが強みの高級店の場合
店が混んでいても、高い接客レベルを維持しなければと思っている場合、スタッフを常にストレスが少なく良い状態に置くことが必要です。
一方、クレームの数は一般店に比べ少ないので、副店長のカバー領域を広く取ります。

・店長は、お客様がケガや気持ち悪くなったりしたような身体的な安全に関わり賠償責任を伴うようなクレームに対応します。
・副店長は、返品・返金に関わるような案件、およびハードクレームに対応します。法的な判断とお店の方針を加味しながら判断していきます。
また、高級店へのハードクレームは相手が難しいケースが多いので、副店長が対応することで一気に解決します。
執拗なハードクレーマーの場合には、放置するか、外部のクレーム担当者(弁護士など)に対応を任せます。
・主任は、お客様からの明らかな過剰請求や過度の謝罪、態度が悪いなどの実害と関係のないクレームについて対応します。

■新規のお客様が少なくお得意様を大切にしているお店の場合
最も怖いことは、お得意様を失うことです。お得意様一人失うと売上の1%を失うことも希ではありません。
アルバイトが、知らずにお得意様を粗雑に扱ったことで10年の付き合いも一瞬で消えてしまいます。

・店長が、お得意様のクレーム(ハードクレームは除く)に直接対応し、迅速でサービス心のあふれた対応を心掛けます。
クレーム対応も接客パフォーマンスの一つになります。
・副店長は、お得意様からのハードクレーム、身体的な安全に関わり賠償責任を伴うようなクレーム、返品などに関するクレームに対応します。
お得意様からのハードクレームには、時間をかけ丁寧に対応していきます。
・主任は、一般客からのハードクレーム(明らかな過剰請求や過度の謝罪、態度が悪いなどの実害と関係のないクレーム)について対応し、規則にしたがって短時間に処理していきます。
・スタッフは、クレームがきた時点で話を聞いて種類わけし管理職につなげます。

 

■とにかくキャッシュが欲しい場合
1品でも多く売ることが大切です。この場合には、スタッフを販売業務に集中させ、クレーム対応などの販売以外の仕事をさせないことがポイントです。
店長、副店長、主任の役割分担と対応基準は①と同じです。
店長を含めた全スタッフの販売業務に携わっている時間をいかに増やすかに重点を置いて、クレーム対応の役割と基準を作っていきます。

 

■キャンペーンの集客を利用して1年間の売上を底上げしたい
キャンペーンで新規のお客様が多く集まるときに、少しでも多くリピーターを増やしたい場合、いかに多くのお客様をリピーターにするかに力点を置きます。
そのためには、接客をしているスタッフ一人一人が、その場でオーディナリークレーマーをリピーターに変えていくことがポイントになります。
スタッフに、お土産や割引、返品や返金、交換などの権限を持たせ、忙しい中でも迅速でサービス心豊かな気風のいい対応をさせ、クレームのお客様をその場でちょっと嬉しい気分にさせます。
また、スタッフには、ハードクレーマーへの対応をさせないことで、クレーム対応への恐怖心を外巣ことが大切です。

・店長と副店長が、ハードクレームに対応していきます。また、お客様がケガや気持ち悪くなったり(病気)して身体的な安全に関わり賠償責任を伴うようなクレームに対応します。
・スタッフと主任が、返品も含め通常のクレーム(ハードクレームは除く)に直接対応し、迅速でサービス心のあふれた対応を心掛けます。
クレーム対応も接客パフォーマンスの一つになります。 また、ハードクレームは、副店長へつなげます。

クレーム対応の基本は、消費者センターの対応が基本となります。
消費者センターが、どのようなものを対応すべきと考えどのようなものは対応しなくても良いと考えているのか、どのようなものを斡旋したがるのか、裁判ではどのような場合に慰謝料を払わなくてはならないのか、この3点を把握しなければなりません。その上で、戦略的に自店がどこまで法律やセンターよりも対応するのかを考えるべきなのです。クレーム対応とは、法律を守ることと戦略実行なのです。

工藤 英一

About 工藤 英一

Qualia-Partnersの代表の工藤です。ゼネコンの研究員から会社経営を経てコンサルタントになりました。自身の経験から、リピーターとの関係を深めお得意様を増やしていくことを強く勧めています。
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2 Responses to 必見!消費者センターから学ぶ本当のクレーム対応術

  1. A M says:

    消費者センターに相談はしたが、通信事業者への対応は、酷く時間の無駄です。自分で動いた方がいいですよ!

  2. 如果你能像看别人缺点一样,如此准确的发现自己的缺点,那么你的生命将会不平凡。

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